2人の悪魔と過ごす日々 (ページ18)

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夜食【エイトフット】ページ18

疲れた…。
マスターヴィランズの皆さんに報告しに行っていたのだ。
皆さんのいろんな話が聞けて、美味しいお菓子やお茶を頂けたのだが如何せん気を使うためかなり疲れた。

『早く風呂に入って寝よう。』

そう思って、自室に戻るべくキッチンを横切ったとき、電気がついているのに気が付いた。
ん？ルイまだ起きてるのか？と思い気配を消してこっそりのぞく。
そこに居たのは…。

『ジョーさん？』
「っ！？…なんだノアか。びっくりさせんなよ」

ジョーさんだった。
声をかけると面白いくらい肩が跳ね上がった。

『何してるの？こんな時間に』
「そっくりそのままお前に返す、その質問。」
『マスターヴィランズの所に報告行ってただけだけど？』

私がそういうとジョーさんはゲッとした顔をした。
別にアースラ様に変なこと言ってないからそんな顔しなくてもいいのにな。

『で？何してんの？』
「眠気覚ましになにかねぇかと思っただけだ。」

あぁ、なるほど。それで戸棚をごそごそしてたのか。
たぶん探しているのはコーヒーだな。

『入れてあげようか？コーヒー』
「…頼む。」

ビンゴだったらしく、ジョーさんはおとなしく傍にあった椅子に座った。
お湯を沸かし、コーヒーの準備をしていると背後から盛大なお腹の音が鳴ったため、振り向くと恥ずかしそうに顔を隠したジョーさんがいた。

『すごい音だね。』
「うるせぇ…。」

んー。時計を見れば深夜2時。
この時間に食べるとなると…お茶漬けとかかな。
コーヒーにお茶漬けが合うとは思えないが、空腹のまま仕事をしたところで100%集中はできないだろう。
そう思い、今日のルイの晩御飯であったであろう白いご飯をおひつから取り出す。
皆さんには凝った料理を提供しているが私たちはシンプルなものが多い。

ご飯にお湯をかけ鮭があったためほぐして乗せ、ジョーさんの前に出す。

『内緒…ですよ？』
「なんだ？これ」
『それならお腹膨れるし、朝食にも響かないよ』

恐る恐る、食べ始めるとお口に合ったのか美味しそうに食べていた。
他の人でも思うんだけど、めっちゃ美味しそうに食べてくれるためこちらとしてもかなりうれしくなるなぁ。

「美味かった。」
『お粗末様です』

食器を片付け、入れ替わりにコーヒーを差し出す。

「さて、仕事にもどるか。なぁノア」
『？』
「さっきの、また作ってくれるか？」
『たまにならね』

私がそういうとジョーさんは心底嬉しそうに笑って部屋に戻っていった。