2人の悪魔と過ごす日々 (ページ13)

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スカーさんに荷物を渡すと、手を振り扉の前まで出てきてくださった。
人懐っこそうで、ハイエナとは思えないがやはりどこかで野生のスイッチが入るものなのだろうか？
まぁ、いいや。

えっと次は･･･

『お待たせしました。ヴェール様ご案内しますね。』
「よろしくお願いしますわ。」

にこりと綺麗に笑うヴェールさん。
すっと目を閉じ、扉を開ける。
そこには、すこし質素な部屋が広がっていた。

「フロロー様の部屋とそっくりですわ！」

とても嬉しそうにチリンチリンとベルを鳴らす。
そういえばこの方歌をよく歌うと書類に書いていたな。
防音にしておくか。
そう思い手をパチンとならすとふわりと空気が揺れた。

「？なんですの？今の」
『歌を歌われると聞いていましたので、防音を施させていただきました。』
「まぁ！これでいつ歌ってもかまいませんのね！」

嬉しそうに私の手を握ってくれるヴェールさんの表情は子供のようでかわいらしい･･･
その後歌い始めたヴェールさんに挨拶をし、部屋を後にした。

『お待たせしました。ではファージャ様』
「お、うちか！ホック、お先にな。」

綺麗な髪をなびかせ、目を閉じ扉を開ける。
なんとなく想像つくなぁ、と思いながら部屋をのぞくと、そこには、アラビア風の部屋が広がっていた。

「めっちゃええやんか！」

くるくると部屋を見渡しながらスカートをはためかせる。
よいしょと、荷物を机の上に置くと、ぽんっと肩をたたかれたため振り返ると。

「素敵な部屋にしてくれたお礼や！」

そう言って目の前に青い花を差し出されたと思ったらパッと一瞬で赤い花に変わった。

『すご･･･』
「なんや、あんたそんな顔もできるんやな。」

そう言われ赤の花を持たされた後、頭を撫でてファージャさんは部屋の中に入っていった。
いろいろ一気にありすぎて思考が追いつかない･･･

『えっと･･･ではお待たせしましたホック様。』
「かまわないぞ。ノアの珍しい顔見れたしな。」

ふふんと笑いながら目を閉じ扉を開けると、ホックさんの部屋は船内をモチーフにした部屋となっていた。
あ、やっぱり思った通りだ。

「ふむ。良い感じだな」
『お気に召してよかったです。』

部屋の中にお邪魔して荷物を置く。

「君の魔法はすごいな」
『お褒めにあずかり光栄です。』

褒められるのは素直に嬉しい。どういうわけかホックさんにも頭を撫でられた。
荷物を置きおえたので私はホックさんの部屋を後にした。