礼儀作法を大切に。 (ページ3)

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｢いらっしゃいませー！｣

俺とゾロさんのバイト先はまぁ、所謂、居酒屋。

海鮮和食料理を中心としていて、メニュー表が昼と晩で変わる。昼は海鮮丼とか天丼、後数個の御膳とかをやっている食べ物屋。
晩は最初言ったように居酒屋として海鮮料理を出している。
お店は少々狭いがそれなりに繁盛していて、客の周りも良い。

大将は仕事が早く、腕も良い。少々いらっちな所もあるがちゃんと気配りも出来る。
バイトリーダー(？)と言うよりは古株で新人係のフクさんは明るく気配りも出来てハキハキしている女性。今日から入る俺とゾロさんのお世話係を担ってもらっている。ありがとうございます。

そして今は、昼の営業中。

｢えぇっと、じゃあ海鮮丼天ぷら御膳と、天丼お造り御膳、お願いします。｣

｢はい、以上で宜しいでしょうか？｣

｢…はい、お願いします。｣

｢はい、失礼します。｣

お店の構造は座敷2つ、【海】と、【山】、
そしてカウンターのみである。
もう少し詳しく話すと手前の座敷が海、奥側が山。
カウンターは６席である。

｢海、海鮮小と天丼小です。｣

｢はいよ、｣

基本的に自分とゾロさんは注文と皿洗い、次の日の準備等が仕事内容である。
自分は基本的に客周り、ゾロさんは水周りを担当している。
自分は可也バイト経験があり、客への対応も慣れている為、こちらへ回った。
ゾロさんは余り経験が無いらしく、余っ程のことが無い限りは客対応はしない。
力もあるので料理を運び渡すや、皿を2階の物置から下ろしてくるなどもする。(勿論自分もやっているが。)

｢海の奴出来たから持って行ってー！｣

｢はい！｣

…と説明を続けている間に客が増え、フクさんと俺だけでは手が回ら無くなってきた。
まぁ、なってきたと言うだけでまだ回らない訳では無いのだが。

｢海行ってきます！A君、私の後ろ持って付いてきて｣

｢はい！｣

彼だけで大丈夫だろうか。
少々心配である。