【208】 ページ32
愛されないということが、
どれだけ虚しくて、どれだけ寂しくて、
どれだけ悲しいことなのかを、私はよく知っている。
「…っ、」
気付けば涙が頬を濡らしていた。
和「毎回同じ台詞でサヨナラ。
まぁ俺が心まで捕まえられなかったってことだけど。」
遠くを見つめる琥珀色の瞳は、色を失くしていた。
守りたい、と。
強くそう思うのはなぜか。
愛しい、と。
心が叫ぶのはなぜか。
それはきっと。
和「‥だから俺を好きになったって、幸せになれない。」
「‥そんなこと、ありません…っ、」
どうしようもなく、貴方のことが好きだから。
抱き締めたいと思った。
―――……違う。
抱き締めなきゃいけないと思った。
色の無い瞳で遠くを見つめている彼と距離を詰めて、
何も言わずに彼を抱き締めた。
和「え…、」
そうすれば彼は私の腕の中で、
少し戸惑いの色が滲んだそんな声を零す。
正直、彼が驚いているとか、今はどうでも良かった。
「そんなこと、言わないで…っ！」
自覚をしてほしかった。
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?醂凛?(プロフ) - 和音さんの作品をいくつか読ませて頂きました。どれも内容が素敵で、毎度更新を楽しみにしてます！和音さんの世界観大好きです！夢を見させて頂きありがとうございます。応援しています、頑張って下さい！！！！ (2021年3月19日 0時) (
レス) id: 051ec58ae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2020年3月8日 18時
