雌雄同体兄弟 (ページ28)

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12話ページ28

「あっちの席とオレ達の席、軽く20メートル以上離れてんのに、オレらの話が聞こえてたってこと？
コワッ！」

『あー……、心臓まで縮むとかシャレになんないからやめて……』

そんな私達のボヤキにトレイ先輩は苦笑いを浮かべて、

「ま、まぁ……そんなわけでディアソムニア寮は少し特殊な奴が多いイメージだな」

特殊つったって限度があるでしょ、限度が…。
あれじゃいくらオブラートに包んだって突き破ってくるよ……。

「魔法全般に長けた優秀な生徒が多い。

寮長のマレウス・ドラコニアは世界でも五本の指に入る魔法士と言われてるくらいだ」

呼ばれないのに定評のあるマレウスさんですか。

天然とか聞いたけど、実際のところどうなんだろ？

上級生と関わり持たないからなぁ。同僚意外だとあんまり。

「マレウスくんは正直、ヤバヤバのヤバだよね。
つか、それを言うならウチの寮長も激ヤバなんだけど〜」

「ほんっとにな！タルトを1切れ食ったぐらいでこんな首輪つけやがって。心の狭さが激ヤバだよ」

『ちょ、トラッポラくんそれは……』

ヤバい。

と、言おうとしたんだ私は。

「ふうん？ボクって激ヤバなの？」

でもかなり遅かったみたいだ。