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ころり。


「(また…)」


次の日の放課後、冬弥はまた聞こえてきた音に反応して振り返る。


しかし然程気にせず冬弥は急いで図書室へ向かった。


今日は図書委員会である。


「(よかった、間に合った)」


「よ、青柳。ギリギリなの珍しいな」


席に座ると、隣の男子が声をかけてくる。


彼は1-Aの図書委員である。


「ああ。掃除が長引いてしまってな」


「まあまだ委員長来てないしセーフだろ」


「(そういえば…)」


隣に座る彼は吹奏楽部と図書委員会を兼任していることを思い出す。


「今日は部活があるのか?」


「いや、最近顧問の先生が体調悪いらしくてさー、ここ3日ずっと練習できてねーんだわ」


「…そうだったのか」


「どーした?もしかして入部希望!?」


「いや、そう言うわけでは…」


「なーんだ、残念。…あ、やべ。委員長来た」


委員長が図書室に入ってきたため、会話は強制的に終了されてしまった。


「(あのピアノは、吹奏楽部ではないのか)」


冬弥はなぜこんなに気にしているのか、自分でも分からなかった。

.→←第1章 泡沫の出会い



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作者名:レノ | 作成日時:2022年5月7日 23時

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