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(……ニャー)
『……猫?』
Aが外の掃除を終え、片付けをしていると猫の鳴き声が聞こえてきた。
周りを見渡してみれば白い猫が1匹、Aの方を見ていた。
『……おいで』
Aがそう云って屈んで手を出せば白猫は近づいてくる。
そしてAの手に擦り寄ってきた。
『(……かわいい)』
何か食べれる物でも持ってれば……と思うが生憎何も持っていなかった。
ただひたすら白猫を撫で続けていると、カサッと靴が地面に擦れる音が聞こえた。
視線を上にあげてみると、武装探偵社の社長である福沢諭吉が立っていた。
『社長さん、こんにちは』
「ああ……その猫は飼い猫か?」
『この子ですか?……この子は多分野良猫です。首輪付いてませんし』
「そうか」
福沢は密かに猫が好きだった。
だが、いつも福沢が猫に近づけば猫は逃げてしまう為触れ合うことは滅多とできなかった。
『……猫がお好きですか?』
「!……まあ、多少は」
『触ります?』
「……逃げはしないだろうか」
『大丈夫ですよ。……そっと、撫でてあげてください』
Aの言葉通り、福沢はそっと白猫の頭を撫でる。
すると、白猫は逃げたり威嚇したりせずに気持ちよさそうに目を細めた。
『……気持ちよさそう』
「そうだな……食べるか?」
「……ニャー」
逃げなかった白猫に感動を覚えた福沢は懐から煮干しを取り出して白猫に差し出した。
白猫は少し匂いを嗅いでから煮干を美味しそうに食べ始めた。
『食べた……』
「……」
美味しそうに煮干を食べる白猫を微笑ましそうに見ている福沢。
一方、Aはというと、「いつも煮干を持ち歩いているのかな……」と下らないことを考えていた。
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零斗(プロフ) - 霊魔さん» コメントありがとうございます。頑張ります^^ (2017年12月15日 18時) (レス) id: 675fc1e898 (このIDを非表示/違反報告)
霊魔(プロフ) - めっちゃ、面白くて引き込まれました!更新頑張ってください!m(_ _)m (2017年12月15日 18時) (レス) id: 2218c279c9 (このIDを非表示/違反報告)
零斗(プロフ) - ヨッシーさん» どうでしょう……?もしかしたら似た名前の人かも知れませんよ……?(笑) (2017年12月12日 22時) (レス) id: 675fc1e898 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - おっと?中也という私の推しの名前が出ましたねぇニヤニヤ (2017年12月12日 22時) (レス) id: 0af952e335 (このIDを非表示/違反報告)
零斗(プロフ) - 真唯さん» そう言って貰えると嬉しい限りです。ありがとうございます。頑張ります (2017年12月11日 21時) (レス) id: 675fc1e898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零斗 | 作成日時:2017年12月9日 21時