癖になるスリル ページ9
その何とも言えないアドムの笑みを見た召使いは背筋がゾクゾクするものを感じた。
全てを知っている。そんな生々しい笑みは陽の光に照らされてより妖艶さをプラスしていた。
一方のアドムの方もゾクゾクと何とも言えない緊張感と興奮を感じていた。
もし、この場でAお嬢様との関係をこの男にでも暴露したらどうなってしまうのか、
そう考えただけで緊張と興奮が止まらない。自分は、先ほどこの男に注意したこと以上の罪をおかしていると思うとたまらない。それも全てが快楽につながる。心の中の悪魔が微笑んでいる。
アドムは再び箒を動かす。先ほどまで彼の顔を凝視していた執事も窓を拭く作業に戻る。互いの間に漂う空気の後味の悪さ。これをもアドムはスリルと興奮を感じてほくそ笑むのを我慢していた。
「アドムさーーーん!」
するも、長い廊下の端の方から一人のメイドがスカートを翻し、走ってきた。男だけのむさ苦しく、先ほどの会話の後の重い空気に花が咲く。
「あの、お嬢様が呼んでおられました。」
そのメイドは息をきらしながら言った。
きっと自分のことをあっちこっちで探し回っていたんだろう。とアドムは思った。そして、手に箒を持ったままゆっくりメイドに近づき、呆れたように苦笑いを浮かべながらため息をつく。
「そんなに慌てて来ないでも大丈夫ですよ。……ほら、髪が乱れてます。」
そして、メイドの崩れてしまった髪の毛をすっと手で触る。そして、顔をずいっと近づけて優しそうな微笑みをする。
そのメイドは、顔を赤くしながらすみません。と謝る。その光景を見てさっきまで窓を拭いていた執事は、イケメンだからって!!と悔しそうに小言をいいながらキュッキュッと窓をピカピカにしていった。
「すみませんが、僕の代わりにここ、掃いておいてくれませんか?」
「あっ…はっはい!!」
「-----------しばらく戻ってこられそうにないので…」
アドムは、そう言って艶やかににっこりと笑い、燕尾服を翻し歩いていった。
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もなか@中身はこしあん(プロフ) - 麗華さん» 学校はじまると何かと忙しいですからね(´-ω-`)麗華さんも暇なときでいいので見に来てくださいね~♪ (2015年9月7日 17時) (レス) id: 42910bbd46 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - もなか@中身はこしあんさん» いえいえです(*・ω・*)学校始まっちゃいましたもんね…やだなぁ(笑)第一章完結お疲れ様でした!番外編も第二章も楽しみにしてます♪ (2015年9月5日 23時) (レス) id: 525612bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか@中身はこしあん(プロフ) - 麗華さん» ありがとうございますっ!(っ´ω`c)更新ペースはこれから少し落ちると思いますが、よろしくお願いします。まだまだ序の口ですから、第二章ではもっとドロドロにしていきますよ~(`・ω・´) (2015年9月1日 7時) (レス) id: 42910bbd46 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - もなか@中身はこしあんさん» 「私が来てない間にかなりお話が進んでいる(;°Д°)」とビックリしました(笑)折角なので最初から読み返してみました♪途中で感動して泣いちゃいました…これからも更新楽しみにしてます^^波乱の第二章に突入だ!((黙r (2015年8月31日 16時) (レス) id: 525612bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか@中身はこしあん(プロフ) - しゅうさん» 素敵だなんてっ…そんなっ…(*゜д゜*)とっっても嬉しいです!!ありがとうございます! (2015年8月13日 2時) (レス) id: 42910bbd46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなか | 作成日時:2015年5月30日 19時