巣喰う悪魔はほくそ笑む ページ8
「なぁ〜、ちょっとぐらいいいだろ〜」
「駄目よ〜!」
そう会話を繰り広げているのは、この家に働いている執事とメイドである。二人は恋人同士のようなものでもなく、ただじゃれ合っているだけのようで、しかし仕事中にそういったじゃれ合いをされると空気が乱れてしまう。
「あの、申し訳ないですが、そういったことをするのは辞めていただけませんか?職場の空気が乱れます。」
アドムは少し睨みを利かせながら二人の前に出る。すると、執事の方がさっきまでメイドにすり寄っていた体を離し、今度はアドムの方にすり寄る。アドムは内心面倒だ。と思ったがそれを顔に出さずになんですか?と言う。
「なぁ〜、お前ってさ本当に真面目だよな〜。女っ気なさすぎだろ!彼女とかいねーのかよ!」
この男は働く気があるのだろうか。
彼はそう思いながら、箒を手に取り床を掃き始める。立ち上がる埃が肺に入り込み、むせてしまいそうになるのをこらえながら、そんなものいませんよ。と素っ気なく応える。
実際に彼女という存在はいらない。そう思っていた。
その男はしかめっ面をしながら雑巾を手に取り、窓を拭き始める。さっきまで言い寄られていたメイドは別の仕事をしにどこかへ行ってしまい、男二人だけとなる。すると、再びその召使いは窓を拭きながら口を開く。
「なぁ、お前本当に大丈夫か?俺が女紹介してやろうか?」
「結構ですよ。」
本当ならイエスと答えたいがAお嬢様に知られたらタダで済むとも思えない。それに、お前の紹介しそうな下流の女になんか興味ない。
自分は割と選り好みが激しいということをアドム自身知っていた。つまらなさそうにする召使いを相手にせず、床を綺麗に掃いていく。
「女はいいぞ。」
「そうですか。」
「俺はまず胸をみる。」
「はぁ…そうですか。」
仕事中にどんな話してんだよ…。
心底呆れるアドムにお構いなしに話を展開していく彼。しかし、手はずっと窓を拭き仕事はしっかりこなしているため注意はできない。そして、ついにこの召使いは爆弾発言をする。
「お前、経験したことあるか?」
一瞬、アドムの箒を動かす手がピタリと止まる。が、動揺しているわけではない。何を?と聞かなくても意味は大体わかる。
アドムは先ほどまで床に向けていた顔をその執事の方に向ける。すると、その執事もアドムの方を向いていたらしく自然と目が合う。そして、ゾクリとする程の艶かしい顔で笑っていう。
「さぁ、どうでしょうか。」
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もなか@中身はこしあん(プロフ) - 麗華さん» 学校はじまると何かと忙しいですからね(´-ω-`)麗華さんも暇なときでいいので見に来てくださいね~♪ (2015年9月7日 17時) (レス) id: 42910bbd46 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - もなか@中身はこしあんさん» いえいえです(*・ω・*)学校始まっちゃいましたもんね…やだなぁ(笑)第一章完結お疲れ様でした!番外編も第二章も楽しみにしてます♪ (2015年9月5日 23時) (レス) id: 525612bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか@中身はこしあん(プロフ) - 麗華さん» ありがとうございますっ!(っ´ω`c)更新ペースはこれから少し落ちると思いますが、よろしくお願いします。まだまだ序の口ですから、第二章ではもっとドロドロにしていきますよ~(`・ω・´) (2015年9月1日 7時) (レス) id: 42910bbd46 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - もなか@中身はこしあんさん» 「私が来てない間にかなりお話が進んでいる(;°Д°)」とビックリしました(笑)折角なので最初から読み返してみました♪途中で感動して泣いちゃいました…これからも更新楽しみにしてます^^波乱の第二章に突入だ!((黙r (2015年8月31日 16時) (レス) id: 525612bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか@中身はこしあん(プロフ) - しゅうさん» 素敵だなんてっ…そんなっ…(*゜д゜*)とっっても嬉しいです!!ありがとうございます! (2015年8月13日 2時) (レス) id: 42910bbd46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなか | 作成日時:2015年5月30日 19時