酔いに酔って… ページ37
がやがやと騒がしくなる大客間。楽しそうに踊り出す父役達。働きづめである彼らも久しぶりの羽伸ばし。大いに楽しんでいるようだ。
「皆、随分と楽しそうだな。」
私の横に座ってお茶を飲見ながら紫苑がぽつりと呟いた。
「紫苑も随分と楽しそうだね。」
「別に…俺は…。」
そう言いながらそっぽを向いてしまう紫苑。少し頬が緩んでいるところからしてどうやら図星のようだ。紫苑は、こういった“皆で”楽しくわいわいとすることの経験が少ないため、今この場で一番わくわくしているのかもしれない。体を少し揺すりながら小さな鼻歌が聞こえてくる。
「紫苑の兄貴ーっ！」
何処からともなく青蛙がとたとたと駆けてきて紫苑の元へと駆け寄る。本当に紫苑は、皆から好かれている。特に青蛙から。少し癖のある性格の紫苑がここまで他のみんなと打ち解けるとは思ってなかったため少しびっくりしてしまう。
青蛙は、とっくりと御猪口を手にしていた。顔は少し赤みを帯びていて酔っているようだ。
青蛙は、紫苑に御猪口を差し出す。
「そんな茶ばっかり呑んでないで、兄貴も飲んでくだせぇ。」
そう言いながら紫苑の手に握られた御猪口の中になみなみとお酒をつぐ。紫苑がさんきゅ。と短く言うと、青蛙は嬉しそうににっこり笑いながら他の者へもお酒を勧めに言った。
「紫苑〜？」
「わーってるてば。」
私の呼びかけに口を尖らせながらコトンと御猪口を机においたときだ。
「Aーっ！」
「Aちゃん。」
リンと千尋ちゃんが声をかけてきて、リンがガシッと私に肩を組んできた。そして、リンは私の隣に座り、千尋ちゃんはリンの隣にちょこんと腰を下ろした。
「わりぃな。邪魔したか？」
「当たり前だろ？せっかく二人っきりになったってのに。」
紫苑が不満そうに言う。
「ううん、全然。邪魔なんかじゃないよ。」
「だってさ。」
リンが私の言葉を聞き、挑発するように紫苑に言った。
「あっそ。」
紫苑は、むすっとしながら目の前の料理を口に運ぶ。
部屋の盛り上がりは最高潮に達し、お囃子の音が聞こえてくる。料理の追加も届き、ますます盛り上がりに拍車がかかる。
「すげぇだろ？この飾り付け。俺がしたんだぜ？」
「うん！すっごく綺麗。千尋ちゃんも手伝ったの？」
「ちょっとだけね。私、不器用だから…。リンさんとハクと兄役さんたちが頑張ってたんだよ。」
「へぇ〜、そうなんだ。」
壁に駆けてある紙花をチラリと見た。
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レモン(プロフ) - はじめまして、ハクも格好いいけど紫苑の方が可哀相に思えて、紫苑が好きになってきました。これからも応援してます！ (2019年1月20日 22時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
しろ - ほほぅ…誤って評価を…ならあなたのかわりに私がいれないでおきます((ﾆｺｯ あ！ごめんなさい。誤作動でおしちゃいました★ (2018年12月15日 21時) (レス) id: 7e3c093cf9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し43692号(プロフ) - 作者様から返事が、、！ありがとうございます(^O^) 紫苑君の活躍期待してます！笑 ずっと応援してます(^-^)/ (2016年3月26日 19時) (レス) id: 9d06ba8ba1 (このIDを非表示/違反報告)
もなか@中身はこしあん(プロフ) - 季紀さん» 季紀さん！？君の手シリーズ読んでました！(｀・д・´)売ってる本みたいだなんて…そんなそんな…！ありがとうございます！これからも頑張らせていただきます！ (2016年3月26日 18時) (レス) id: 143efacaa5 (このIDを非表示/違反報告)
もなか@中身はこしあん(プロフ) - 名無し43692号さん» ありがとうございます！紫苑君、これから結構活躍するはずです！見届けてあげて下さい！よろしくお願いします！(´▽`)ノ (2016年3月26日 18時) (レス) id: 143efacaa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もなか | 作成日時：2015年11月19日 1時
