番外編 ifの世界で ページ33
「ついでに、Aちゃんも見ぃーつけた。…フフッ今日は運がいいなぁ〜。」
そういうとカオナシさん微笑みながら私を見て、「ちょうど湯女が別の仕事に行っちゃって…ボクの相手をしてくれる?」言った。私は、はい!と返事するとカオナシさんの後をついていく。
貧乏神君は、その間も嬉しそうにカオナシさんの大きな手をぎゅっと握って小さな足でペタペタと歩く
……カオナシさん、弟なんていたっけ?
不意にそう考える
「わぁーいっ!ご飯だーっ!」
客間につくと貧乏神君は、嬉しそうに再び声を上げた。そこには食べかけの豪勢な料理がずらっと並んでいた。
私は、カオナシさんにお酌をする。貧乏神君は、よほどお腹がすいていたんだろう料理をぱくついていた。
カオナシさんが口を開く
「あいつ(貧乏神)さぁ、トイレ行ってくるって行ったきり全然帰ってこなくてさ〜。ほんと、ごめんね〜。迷惑かけて。」
「そうだったんですか…。」
「あ、こら。貧乏神!またそんなにお茶飲んで…。また、トイレに行かなきゃならなくなるよ?よしなってば…。」
カオナシさんは、優しい口調のまま貧乏神君を叱る。けど、貧乏神君はお茶をごくごくと喉を鳴らして飲んだ。
「いいの!今度は“あんちゃん”と一緒に行くから!」
「ボクは一緒に行かないよ。Aちゃんと一緒に行きな。」
「うん!分かった!!」
「えぇ!?わっ私!?」
「アッハハ、冗談だよ、冗談。」
目を細め、楽しそうに笑うカオナシさん。貧乏神君も私の反応を見て面白そうに笑った。
しばらくして、迷子になって、沢山食べて、沢山笑って疲れてしまったのか貧乏神君はすやすやと寝息を立て始める。私は、貧乏神君にそっと毛布をかけながらカオナシさんに話しかける
「でも、びっくりしました。カオナシさんにこんなに可愛い弟さんが居たんですね。」
御飯を食べ終わり、くつろぎながら煙管を咥えていたカオナシさんがふぅーっと煙を吐きながら言った
「んー?貧乏神は、ボクの弟じゃないよ。」
「じゃぁ、従兄弟とかですか?」
「そそ。従兄弟みたいなの。まぁ、血は繋がってないけどね〜」
よく意味が分からなくて眉をひそめる私をみたカオナシさんは、煙管をカンッ!と叩き灰を落とすと話し始めた。
「ボクって神様っていうより…疫病神みたいなものでさ〜、ボクは人間やいろんな者達の欲望の塊から生まれたからね。勿論、君の欲もね。」
カオナシさんは、私の鼻をツンと触って言った。
「はい…。」
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レモン(プロフ) - はじめまして、ハクも格好いいけど紫苑の方が可哀相に思えて、紫苑が好きになってきました。これからも応援してます! (2019年1月20日 22時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
しろ - ほほぅ…誤って評価を…ならあなたのかわりに私がいれないでおきます((ニコッ あ!ごめんなさい。誤作動でおしちゃいました★ (2018年12月15日 21時) (レス) id: 7e3c093cf9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し43692号(プロフ) - 作者様から返事が、、!ありがとうございます(^O^) 紫苑君の活躍期待してます!笑 ずっと応援してます(^-^)/ (2016年3月26日 19時) (レス) id: 9d06ba8ba1 (このIDを非表示/違反報告)
もなか@中身はこしあん(プロフ) - 季紀さん» 季紀さん!?君の手シリーズ読んでました!(`・д・´)売ってる本みたいだなんて…そんなそんな…!ありがとうございます!これからも頑張らせていただきます! (2016年3月26日 18時) (レス) id: 143efacaa5 (このIDを非表示/違反報告)
もなか@中身はこしあん(プロフ) - 名無し43692号さん» ありがとうございます!紫苑君、これから結構活躍するはずです!見届けてあげて下さい!よろしくお願いします!(´▽`)ノ (2016年3月26日 18時) (レス) id: 143efacaa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなか | 作成日時:2015年11月19日 1時