笑え ページ20
「なぁ…まだ答えてくれねーの？…A。」
「…ごめんね。今はそういう気持ちにはなれないよ…。」
「俺は…ずっと…ずっと待ってる。こうして、お前の傍で…。」
「ありがとう。」
普段は一つに結っている黒髪も今はおろしているため、顔に黒髪がかかり、少しくすぐったい。
私は、紫苑の思いに応えなければならない。ずっと今まで旅をしてきて支えてくれて。口が乱暴で、怒りっぽくて、意地悪たけど私の傍にいて、優しくて、純粋に想ってくれているそんな彼の想いに応えなければならない。
何度目の告白だろうか…。何度彼に好きだと言われたのだろうか…。私がごめんと言うたびに紫苑は悲しそうな顔をした。傷つけてごめんと言う言葉ももう何回言っただろうか…。
紫苑が身体を離し、私の顔を覗き込む。彼は短い溜め息と共に私の頬を思いっきり引っ張った。
「いだだっ！ちょっと！？何すんのよ！」
「いや、何かぶっさいくな顔が目の前にあったから。」
「悪かったわね！不細工で！」
ふんっ！とそっぽを向くが、さっきまでのしんみりとした雰囲気だったことがおかしく感じてきて思わず笑みが零れる。
「フフフッ…。」
「おっ！やっと笑ってくれたな。」
「へ？」
「A、此処来てからずっとなんか笑顔が固いっていうか…そんな気してて。やっといつもの笑顔が見れたなって…」
いきなり柄にあわない様なことを少し照れくさそうに言う紫苑。その姿もなんだかおかしくては余計に笑えてしまう。
「フフフフ…」
「なっ！？笑いすぎだろ!」
と言いながらも紫苑も嬉しそうに笑った。少し心にかかったもやもやが少しだけ晴れていくような気がした。
しばらく話すと彼は「んじゃ、俺戻るから。」と窓ではなくドアの方に向かって歩いていった。
「迷わないでよ。」
「あーい。」
彼がドアをガチャッと開ける。
「うわぁ！？」
「きゃぁ！？なっなに！？どうしたの？」
突然びっくりしたような声を上げる紫苑に私も思わずびっくりしたような声が上がる。ドアの方を見ると紫苑がにんまりと笑っていた。
「冗談。…びっくりした？」
「もう！早くいってよ！バカ！」
「悪ぃ、悪ぃ。じゃ、お休みA。」
「はいはい。お休み。」
再び静寂が訪れる部屋。再び疲れが押し寄せる。私は、そのまま布団に入り眠りについた。
「へぇ〜。ハク様は人の話を盗み聞きするお趣味があるんですか〜。」
「…………。」
俺は、目の前にいる男。ハクをきっと睨んだ。
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レモン(プロフ) - はじめまして、ハクも格好いいけど紫苑の方が可哀相に思えて、紫苑が好きになってきました。これからも応援してます！ (2019年1月20日 22時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
しろ - ほほぅ…誤って評価を…ならあなたのかわりに私がいれないでおきます((ﾆｺｯ あ！ごめんなさい。誤作動でおしちゃいました★ (2018年12月15日 21時) (レス) id: 7e3c093cf9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し43692号(プロフ) - 作者様から返事が、、！ありがとうございます(^O^) 紫苑君の活躍期待してます！笑 ずっと応援してます(^-^)/ (2016年3月26日 19時) (レス) id: 9d06ba8ba1 (このIDを非表示/違反報告)
もなか@中身はこしあん(プロフ) - 季紀さん» 季紀さん！？君の手シリーズ読んでました！(｀・д・´)売ってる本みたいだなんて…そんなそんな…！ありがとうございます！これからも頑張らせていただきます！ (2016年3月26日 18時) (レス) id: 143efacaa5 (このIDを非表示/違反報告)
もなか@中身はこしあん(プロフ) - 名無し43692号さん» ありがとうございます！紫苑君、これから結構活躍するはずです！見届けてあげて下さい！よろしくお願いします！(´▽`)ノ (2016年3月26日 18時) (レス) id: 143efacaa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もなか | 作成日時：2015年11月19日 1時
