第2話 ページ4
ーーシンドバッド視点
ジャーファルの「双蛇鏢」でとりあえず彼には気絶させてもらった。マスルールには悪いが、彼の運び役になって貰おう。
「ちょっと、シン…やり過ぎです。」
「ああでもしないとこの子はあの王を殺しにいった。
さて、一旦戻って飯でも食べよう。」
「シン、彼をどうするおつもりですか。まさか世話をする、など言いませんよね?」
ジャーファルが困ったように言う。だが残念だったなジャーファル。そのまさかだ。
「………彼は、幾度となく国を滅ぼし、民を、王を殺した重犯罪者ですよ。死罪確定、指名手配もされてる方なのですよ?」
「それを言ったら、ジャーファル、お前も暗殺者だっただろう。お前だけでなく、マスルールも。剣闘士で、数多の人を殺してきた。
それに、彼は子供じゃない。俺たちよりこの世を生きてる。だから大丈夫だ!俺が言うんだから問題ない。」
ジャーファルは不服そうに俺の後をついてくる。マスルールも後に続いた。
俺も正直不安なところはある。でも、何故か「大丈夫」と思えるのだ。
…任務達成したし、酒でも飲もう。
そんな悠長なことを考えながら、王国へ戻る船まで歩いていった。
ーー
「フィニ、ありがとう……おやすみ。」
チカラを使いすぎたのか、フィニは自ら火に飛び込み灰になった。
暗い洞窟の中、1人残された俺は、ただただフィニの回復を待ち続けるだけ。
そんなある日、1人の旅人がやってきた。
旅人は一言、俺に尋ねてきた。
「この世界が、楽しいかい?」と。
まだ幼くて言葉の意味がわからなかった俺は、ただただ首をかしげるだけ。そんな俺に、旅人はまた何か言った。
「僕は、この世界が大嫌いなんだ。
誰も、王だと認めてくれない。……マギですら。」
そして、飛び降りた。突然のことで意味がわからなかった俺は、不気味に思えてフィニの灰をかき集め、籠の中に入れてすぐに立ち去った。
一層マギが嫌いになった瞬間だった。
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ふぇみり - 凄く面白いです!!更新頑張って下さい!! (2016年10月13日 19時) (レス) id: c932bc428c (このIDを非表示/違反報告)
スイショウ(プロフ) - はじめまして。お気に入り登録させていただきました(^ω^)更新頑張ってください (2016年10月9日 12時) (レス) id: 682e32bdcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れんと x他1人 | 作成日時:2016年9月10日 11時