検索窓
今日:5 hit、昨日:9 hit、合計:55,563 hit

第2話 ページ4

ーーシンドバッド視点

ジャーファルの「双蛇鏢」でとりあえず彼には気絶させてもらった。マスルールには悪いが、彼の運び役になって貰おう。

「ちょっと、シン…やり過ぎです。」

「ああでもしないとこの子はあの王を殺しにいった。
さて、一旦戻って飯でも食べよう。」

「シン、彼をどうするおつもりですか。まさか世話をする、など言いませんよね?」

ジャーファルが困ったように言う。だが残念だったなジャーファル。そのまさかだ。

「………彼は、幾度となく国を滅ぼし、民を、王を殺した重犯罪者ですよ。死罪確定、指名手配もされてる方なのですよ?」

「それを言ったら、ジャーファル、お前も暗殺者だっただろう。お前だけでなく、マスルールも。剣闘士で、数多の人を殺してきた。
それに、彼は子供じゃない。俺たちよりこの世を生きてる。だから大丈夫だ!俺が言うんだから問題ない。」

ジャーファルは不服そうに俺の後をついてくる。マスルールも後に続いた。

俺も正直不安なところはある。でも、何故か「大丈夫」と思えるのだ。


…任務達成したし、酒でも飲もう。

そんな悠長なことを考えながら、王国へ戻る船まで歩いていった。


ーー

「フィニ、ありがとう……おやすみ。」

チカラを使いすぎたのか、フィニは自ら火に飛び込み灰になった。

暗い洞窟の中、1人残された俺は、ただただフィニの回復を待ち続けるだけ。

そんなある日、1人の旅人がやってきた。

旅人は一言、俺に尋ねてきた。

「この世界が、楽しいかい?」と。

まだ幼くて言葉の意味がわからなかった俺は、ただただ首をかしげるだけ。そんな俺に、旅人はまた何か言った。

「僕は、この世界が大嫌いなんだ。

誰も、王だと認めてくれない。……マギですら。」

そして、飛び降りた。突然のことで意味がわからなかった俺は、不気味に思えてフィニの灰をかき集め、籠の中に入れてすぐに立ち去った。



一層マギが嫌いになった瞬間だった。

第3話→←第1話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (84 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
111人がお気に入り
設定タグ:マギ , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ふぇみり - 凄く面白いです!!更新頑張って下さい!! (2016年10月13日 19時) (レス) id: c932bc428c (このIDを非表示/違反報告)
スイショウ(プロフ) - はじめまして。お気に入り登録させていただきました(^ω^)更新頑張ってください (2016年10月9日 12時) (レス) id: 682e32bdcb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:れんと x他1人 | 作成日時:2016年9月10日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。