第24話 ページ27
「彼を、壊す…？？」
困惑しているアラジン。当たり前だろう。いきなりそんなことを言われたら、誰だって驚く。私も驚く。
でも、他に言葉がなかった。
「はい。…上手くは言えませんが、壊してください。」
「……いいよ。」
思わず顔を上げた。私だってよくわかっていないのに、いとも簡単にいいよ、と言ったから。
「でも、それでモルさんは後悔しないのかい？」
「………しません。彼は、帰るべき人間です。…此処にいて、良いことなんてありません。
アラジン、貴方に私の想いを託します。だから、お願いします。彼を、壊して欲しい。」
「わかったよ。……でも、壊す前に彼のことを知りたい。知らなくてはいけない。」
ぎゅ、と杖を握るアラジン。そうだ、彼に話さなくてはいけないんだ。
「何も知らなくて良い。」
声がした。後ろでも、前からでもない。
「…モルさん、頭の髪飾りから声がする。」
アラジンがそう教えてくれる。髪を急いでとくと、小さな器具がゴムに取り付けられていた。
「じゃっじゃーん！どう？びっくりした？
…あ、あの番犬には話さないでね。厄介厄介。昔から変わんないよ。人間いつしか変わるっていう言葉は嘘だろうね。」
いつにもまして饒舌。初めてきいたと思うほど、よく喋る。これぞまさに、立て板に水と言うものだろう。
「何処かの誰かさんは、俺が情緒不安定だって言う。何処かの誰かさんは、俺を殺人鬼だって。」
声だけしか聞こえない。でも、悲しそうだと分かる程の声量だった。
「ね、モルジアナ。」
ーー俺は、誰だ？
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ふぇみり - 凄く面白いです!!更新頑張って下さい!! (2016年10月13日 19時) (
レス) id: c932bc428c (このIDを非表示/違反報告)
スイショウ(プロフ) - はじめまして。お気に入り登録させていただきました（＾ω＾）更新頑張ってください (2016年10月9日 12時) (レス) id: 682e32bdcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れんと x他1人 | 作成日時：2016年9月10日 11時
