第18話 ページ20
「先に問おう。何故マギを殺す。」
紐の力を緩めることもないまま、そう言うお兄さん。
「教えると思うの？バカかよ。」
あっかんべ、と舌を出す。紐が切れないと草木を操ってみるが周りが慄くだけで切れやしない。
「スパルトス、彼を捕らえてください。」
「わかりました。」
再び近づいてくる男。ササンの出身だろうか、片目を隠してるし、何より目を合わせようとしない。
あれ、俺男なんだけど……？おにいさんも彼って言ってたよね……？
ふざけたことを考えていると、槍がすぐ目の前にあった。
男は、俺の目をしっかりと捉えていた。
逃げ場が、もうない。そろそろ蔓も燃えそうだ。
仕方ない。全て燃やそう。
左手をあげる。暗器が邪魔してくるけど、出来る限り手を上げた。
右手で地面の草をむしり取る。その中のひとかたまりを、左手にわける。
そして、弓をイメージする。
「……っ、何！？」
おにいさんが驚いた顔をしている。ササンの男も、同様に。
「まだまだこれからじゃないさ。俺の力は。」
草は、みるみると弓の形へと変化させていく。崩れやすいし燃えやすいけど、今はこれしか頼られない。
心の中でフィニを呼ぶ。俺の中で眠り続けるフィニを。
弓が、燃えていると言えるほど熱くなるのを感じる。………フィニの、力だ。
熱い。
弓矢は一本しかない。でも、今逃げられるなら一本だけでよかった。
「じゃあね、また来るよ。」
弓が、1人の政務官目掛けて飛んでいく。燃える彼を横目に、俺は宮内から脱出した。
ーー
ジュダルくんみたいな口調にしたいのになかなかできませんでした。
20話すぎたら、記念としておまけのストーリーやイラストを載せたいと思います。筆者の言葉はないので飛ばさず読んでくださると嬉しいです。
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ふぇみり - 凄く面白いです!!更新頑張って下さい!! (2016年10月13日 19時) (
レス) id: c932bc428c (このIDを非表示/違反報告)
スイショウ(プロフ) - はじめまして。お気に入り登録させていただきました（＾ω＾）更新頑張ってください (2016年10月9日 12時) (レス) id: 682e32bdcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れんと x他1人 | 作成日時：2016年9月10日 11時
