第13話 ページ15
「……。」
無数の蔓が、出入り口を塞いでしまったらしい。ジャーファルおにいさんや、シンドバッドおじさんが何か叫んでいる。
そんな声を無視して、おにいさんは僕に話しかける。信頼のない友達みたいに。
「そんなに警戒しないでよ。君には何も危害は加えないから。」
「君には」という言葉が妙に引っかかってしまう。僕には、防御魔法があるけど、ヤムさんを除けば、誰も防御魔法は使えないんだ。
もし、あの無数の蔓がアリババ君達を攻撃したら、きっと、軽い怪我では済まないだろう。
未だに僕を蔓から降ろしてくれないおにいさん。ぐぐ、と力を入れても全くと言っていいほど解けない。
「おにいさん、一つ、聞いていいかい？」
「…………いいけど。」
全くと言っていいほど、目を合わせてくれない。こちらを向いてくれるけど、目を合わせる隙なんてなかった。
「おにいさんは、……、」
言葉が詰まる。聞きたいことが、ありすぎるのだ。
「………3、」
「…え？」
「…2、」
「………っ、…ぃたい…！！」
きゅぅ、と蔓の力がキツくなっていく。首に、蔓が巻きついていく。
くるしい
「1、」
にやり、と笑っている。
「なーんてね。」
ぱっ、と蔓が離された。塔の上に足がついたため、落ちはしなかった。ゲホゲホ、と咳き込む。
「さて、次はない。質問は？」
ニコリ、と笑うおにいさんに、嫌気がさしてしまった。この人のこと、僕は苦手だ。
改めてそう思った。
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ふぇみり - 凄く面白いです!!更新頑張って下さい!! (2016年10月13日 19時) (
レス) id: c932bc428c (このIDを非表示/違反報告)
スイショウ(プロフ) - はじめまして。お気に入り登録させていただきました（＾ω＾）更新頑張ってください (2016年10月9日 12時) (レス) id: 682e32bdcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れんと x他1人 | 作成日時：2016年9月10日 11時
