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鈍器で頭をがつんと殴られた、ような衝撃を受けた。
研二、けんじ……萩原研二、22歳。見間違える筈のない。人違いの筈がない。
でも、テレビ画面に映ったそれを、私は断固として信じたくなかった。
死んだ……?爆発で、なんで?爆発物処理班なのに?まさか、そんな、失敗なんてする訳が……ないのに。
「うそだ…なんで、あ……じんぺいは!?」
思わず声に出して、四つん這いでテレビに駆け寄った。映し出される現場に、その見覚えのある後ろ姿はない。
文字もない。そもそも兄もそこにいたのか、私には分からなかった。
けどとても、何かが死ぬような、終わるような、そんな悪い気がする。
__その日の夜、兄は家に帰って来なかった。
明日は学校なのに、私は意地でも寝ることなく、いつまでも家のリビングで、玄関が開くのを待ち続けた。
何時間経ったか、真っ暗な部屋で、私が途切れそうな意識を不安と恐怖で塗りつぶしながら起きていると……
がちゃりと、心臓に冷水をかけられたように、ドキリとする音が響く。
ハッとして顔を上げると、うっすらと…ゆらゆらと力無く歩いてくる人影が見えた。
「………………」
私は蹲って静かにそこにいたものだから、兄は気付かなかったのか無視を決めたのか、のそのそとリビングを通り過ぎて行った。
その横姿も後ろ姿も、今まで見たことないくらいに打ち拉がれて弱りきった、小さく脆い姿のようだ。
聞きたいことも言いたいこともあった筈なのに、思わず私は、ただ目を見開いて無言でいるしか出来なかった。
やがて自室に入ったのか、扉の開閉する音と、ガンッと壁を叩く音が虚しく木霊した……
その日から、陣平は何かに取り憑かれたよう無口で無表情になり、警視庁に閉じ籠ってでもいるのか、同じ家に住んでいる筈なのに、滅多に姿を見ることが無くなった。
それはまるで、二人や三人で過ごしたあの日々が、最初からありもしない幻だったような気分だった。
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太田(プロフ) - 面白かったです。更新、応援しています! (2020年5月24日 2時) (レス) id: b12bd70a19 (このIDを非表示/違反報告)
かれん@ほりえったー(プロフ) - 面白かったです!更新楽しみにしています!頑張ってください! (2018年6月11日 4時) (レス) id: 8c9c64aaaf (このIDを非表示/違反報告)
れんり(プロフ) - マキ松ミツバさん» コメント、ありがとう、ございます…貴方にそう思えてもらえて光栄です (2018年4月14日 18時) (レス) id: f0f38a4a80 (このIDを非表示/違反報告)
マキ松ミツバ(プロフ) - 面白かったです(^^♪ (2018年4月14日 18時) (レス) id: d15feb6140 (このIDを非表示/違反報告)
れんり(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます!読むのお早いですね…これからもよろしくです! (2018年4月14日 18時) (レス) id: f0f38a4a80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れんり x他1人 | 作成日時:2017年12月8日 14時