あい。 ページ26
次の日の朝、私は体が重く、だるかった。
勿論、昨日の夜眠らなかったためだ。
霊力を使いすぎた、というのもあるかもしれない。
立ち上がろうとすると目眩と気持ち悪さがしたので、仕方なく今日は部屋で過ごすことにする。
どのみち何かする予定も無いし、寧ろ刀剣達にとっては、
私がずっと部屋から出てこないことが、望ましいかもしれないから。
子供姿の短刀が、いつ来るかもしれない私に怯えながら部屋で縮こまってる。
重傷の刀剣が、いつ折られるか分からない気持ちで生き地獄を味わっている。
仲間を守ろうとして、私を殺しに来る刀剣がいるかもしれない。
……そう考えると、動く気なんて起きなかった。
私がいるせいで、なんてのは御免だ。
だから、手入れはしないし、仲良くしようとするつもりもない。
多分それが、お互いに一番良いことだと思うから。
私には、三日月がいる。
刀剣達には、仲間がいる。
決して綺麗ではないが、もう悲鳴も聞こえなくなるだろう静かな本丸。
引きこもって何もしない審神者。
これで、いいのかな。
いや、何もしないのは、審神者としては駄目だなぁ。
出陣とか、遠征とか、色々やらなきゃいけないんだっけ？
でも、それで刀剣達をコキ使うのは嫌だし……
「…あぁ、もう………私に、どうしろっていうの…」
目の前に手を伸ばせば届く物がたくさんあるのに、伸ばす手が無い。
まるで今、そんな気持ちだった。
私はそう呟くなり、頭を抱えてうずくまる。
6時間、ずっと机と向き合ってやっていたことなんて……
意味も無いのに、刀帳を見てここにいる刀剣達を覚えようとしたことだけ。
この先誰からも覚えてもらえなくて、好かれないだろう彼らの暗い未来を考えて……
ただ私だけでも、全部覚えていたい……と、思っただけ。
「……三日月は、居ないんだね…」
一頁目の刀剣達の、三日月宗近の欄……名前の横にある“刀剣破壊”の文字。
暫くそれを、憐れむような、汚れ物を見るような気持ちで見つめていた。
他にも順に刀剣を見ていけば、登録されている刀剣の3分の1以上が破壊されていることが分かる。
その事実が私にのしかからないように、私は素早く刀帳を閉めて、机の中に押し込んだ。
寝れない。けれど、外には出ない。
さて、今日は何をしようか。
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れんり(プロフ) - 燐−Rin−さん» 本当、だッ！！ご指摘ありがとうございます(ごめんよまんばちゃん…)！嬉しいお言葉もありがとうございますッ。とても励みになります！ (2017年7月23日 8時) (
レス) id: e682cb1174 (このIDを非表示/違反報告)
燐−Rin−(プロフ) - コメント失礼しますぅぅぅ内容が濃くてとてもハマりました！ それと、国広の山姥切の【婆】ではなく、【姥】です！失礼しました！ (2017年7月22日 23時) (レス) id: 775928a73b (このIDを非表示/違反報告)
れんり(プロフ) - はせべまゆさん» コメントありがとう……でも何故二回もしたんですか(笑)絶対笑っているでしょう、ちゃんと読んでる？(訳:別に読んで欲しいとか、嬉しいとか思ってないし) (2017年7月17日 21時) (レス) id: e682cb1174 (このIDを非表示/違反報告)
はせべまゆ - 素晴らしすぎる (2017年7月17日 20時) (レス) id: bb40afa781 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 素晴らしい (2017年7月17日 20時) (レス) id: bb40afa781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れんり | 作成日時：2017年6月30日 17時
