あい。 ページ21
「……あぁ、成る程な。だから空気が澄んでるのか…」
慈しむような目で宙を見やった鶴丸さんに釣られるように、私も視線をそちらへ向ける。
確かに何となく、さっきみたいに重くて嫌な空気は感じなかった。
霊気を使った邪気祓いの真似事は、成功した……のだろうか？
首をかしげながら、私は「そう… ですか？」と呟く。
その呟きに答えたのは、鶴丸さんでは無かった。
「あぁ、見間違える程だよ。……君はお祓いが得意なのかな？」
話しかけられるとは思わず、驚いて振り向けば…………
にこりと笑みを携えて、あの大柄の刀剣が私を見ていた。
一瞬その優しげな瞳を見つめてポカンとして、
私は、何か言わなければ、と言葉を紡ぐ。
「えっ、そんなことは……お祓いだって、さっきのが初めてです……」
そう言えば、その人は驚いたような顔をして、「おや？」と声を漏らした。
……その後ろの、爽やかそうな刀剣も、驚いた顔だ。
……何か、答えが可笑しかっただろうか？
思わず隣の鶴丸さんへと振り向けば、
彼もまた、驚いたように視線を私に移した。
「……きみ、まさか自覚無いのかい？」
目を細めてどこか神妙な声に、私は眉間に皺を寄せる。
それが霊気に関することだと気付くのは、それから数秒後のことだった。
もしかしなくとも、よくよく考えてみれば、“これ”は凄いことなのかもしれない。
本で読んだお祓いを見よう見まねで試して、成功してしまったことは。
自画自賛のように聞こえてしまうが……
実際に刀の神様である彼らにに「信じられない」という顔をされたのだから、そうなのだろう。
「………まぁ、霊力だけは…無駄にありますからね」
はっ、と嘲笑うように呟けば、またもや隣から「え」と声がした。
「それは自覚しているのか、きみ。……普通の人間には、自分の霊力の力量なんてよく分からないと思っていたぜ」
それを聞いて、私はそうなのか……と感嘆の気持ちで頷く。
なら、そもそも霊力がある＿＿しかも自分で分かる程大きい＿＿私は普通じゃないなぁ。
「……霊力って、オーラみたいに、見えるんですか？」
さっきからまるで、私の霊力が具体化して見えているかのように私の霊気への反応をする鶴丸さんに、
気になって、私は少し控えめにそう聞いてみた。
「ん？……いや、何となく分かるのさ。その霊気がどういうものか、が」
そう言った鶴丸さんの顔は、心なしか少し……雲って見えた。
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れんり(プロフ) - 燐−Rin−さん» 本当、だッ！！ご指摘ありがとうございます(ごめんよまんばちゃん…)！嬉しいお言葉もありがとうございますッ。とても励みになります！ (2017年7月23日 8時) (
レス) id: e682cb1174 (このIDを非表示/違反報告)
燐−Rin−(プロフ) - コメント失礼しますぅぅぅ内容が濃くてとてもハマりました！ それと、国広の山姥切の【婆】ではなく、【姥】です！失礼しました！ (2017年7月22日 23時) (レス) id: 775928a73b (このIDを非表示/違反報告)
れんり(プロフ) - はせべまゆさん» コメントありがとう……でも何故二回もしたんですか(笑)絶対笑っているでしょう、ちゃんと読んでる？(訳:別に読んで欲しいとか、嬉しいとか思ってないし) (2017年7月17日 21時) (レス) id: e682cb1174 (このIDを非表示/違反報告)
はせべまゆ - 素晴らしすぎる (2017年7月17日 20時) (レス) id: bb40afa781 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 素晴らしい (2017年7月17日 20時) (レス) id: bb40afa781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れんり | 作成日時：2017年6月30日 17時
