あい。 ページ17
鋭く光る銀が、力強く踏み潰された。
何度も、何度も、次第に光はくすんで……
……ピキッ、という音を立てた。
咄嗟に伸ばした手も虚しく、目の前で、
＿＿＿＿バキィ……ィン＿＿＿＿
「…っみ＿＿…！」
全身の毛が逆立つ程の悪寒がして、私はガバッと体を起こした。
途端、さっきまで私の目に映っていた悪夢が嘘だったかのように消える。
目を見開いたまま、私は暫く、はぁ…はぁ…と荒い息を繰り返した。
心臓が、嫌でも分かるくらい波打っている。
身体中汗だくで、気持ち悪い。
すぐそばに恐ろしい何かがいるような、不安と恐怖があった。
「……………ゆめ、か…」
酷く弱々しい声でそう呟いてから、
私はハッとして顔を上げ、辺りを見回した。
目の届く範囲に“いた”三日月を認識して、
私は神にすがる信者のように、畳を這って三日月に手を伸ばした。
儚く繊細な硝子製品に触れるかのように、そっと三日月を抱く。
かなりの間、そうしていた。
ようやく落ち着いて顔を上げた頃には、もう汗も乾いている。
いつの間にか自分の部屋で寝ていたらしく、ひかれた布団へ目をやった。
あの二人のどちらかが……
いや、長谷部さんが運んでくれたのだろうか？
……ともかく、今度二人にはお礼とお詫びをしに行かなければなぁ。
襖の外に視線を滑らせれば、暗さ的に夜、深夜辺りだということが分かった。
何となくさっきのことを思い出してしまいそうで、もう寝る気にはなれない。
かといって、暗い部屋じゃ何もすることはない。
「……三日月。外、行こっか…」
結局私は、夜を起きて過ごすことにした。
すす…と襖を開けてみれば、丁度涼しい風が吹く。
これなら寝なくても退屈しないな。
縁側にそっと腰を下ろし、月夜を見上げて私はそう思った。
三日月は、足と足の間に置いて肩にかける。
涼しい風がフードを被っていない髪を揺らして、
ふわりと、脱色して白くなった髪を揺らす。
誰かに見られている訳ではないが、私は浅くフードを被った。
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れんり(プロフ) - 燐−Rin−さん» 本当、だッ！！ご指摘ありがとうございます(ごめんよまんばちゃん…)！嬉しいお言葉もありがとうございますッ。とても励みになります！ (2017年7月23日 8時) (
レス) id: e682cb1174 (このIDを非表示/違反報告)
燐−Rin−(プロフ) - コメント失礼しますぅぅぅ内容が濃くてとてもハマりました！ それと、国広の山姥切の【婆】ではなく、【姥】です！失礼しました！ (2017年7月22日 23時) (レス) id: 775928a73b (このIDを非表示/違反報告)
れんり(プロフ) - はせべまゆさん» コメントありがとう……でも何故二回もしたんですか(笑)絶対笑っているでしょう、ちゃんと読んでる？(訳:別に読んで欲しいとか、嬉しいとか思ってないし) (2017年7月17日 21時) (レス) id: e682cb1174 (このIDを非表示/違反報告)
はせべまゆ - 素晴らしすぎる (2017年7月17日 20時) (レス) id: bb40afa781 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 素晴らしい (2017年7月17日 20時) (レス) id: bb40afa781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れんり | 作成日時：2017年6月30日 17時
