教師の考察 ページ10
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「レディ、ファイト!」
そう振り下ろした手。
自巳と姫川の戦いが始まった。
最初は心配していた。
虐めまがいのものが起こるのではないかと。
身体能力でいうと、ほぼ同じではないだろうか。体力なども。
ただ、二人は能力の差が激しいんだ。
というか何故、能力が乏しい、、いや、
それは理事長直々にSクラスに入れると仰ったからだ。
普通、能力や成績を見て割り振りを決めるのに。
一度理事長に理由を聞いて見たが、無言で首を振られた。
所詮、彼女は親の七光りなんだろう。
自巳の名簿をちらりと見る。
個人情報が綴られているが、一番下の能力の欄だけは空白。
教員すら彼女の能力を知らない。
知るのは本人と親の理事長だけ。
そのため、弱々しいオーラを放つ自巳の能力は、【遠視】だという噂が流れ広まり、確信してしまったのだ。
だから僕もそうなのかなと思っていた。
彼女の手から生み出した大きな鎌を見る前までは。
使いにくい鎌を操るように使いこなす彼女は様になっている。
姫川も押されている程。頰に切り傷を作られた。
何故、彼女が鎌を?
もしかして、これが彼女の能力なのか。
【武器召喚】辺りだろうか。
その時、彼女の上に檻が落とされた。
なのに、彼女はそこから消え、姫川の背中をとった。
一瞬ブレた、、。【瞬間移動】か。
二個持ち?いや、彼女は__。
圧倒的攻めに押された姫川の横に短刀を刺す自巳の声が静まった会場に響く。
「…あの、降参してくれません?早く終わらせたいんですよ」
自巳の冷たい突き刺すような声に、ゾクっと背筋が凍った。
姫川の体が固まる。
自巳はそのまま後ろに下がり、横を振り向く。
「ッ……………」
ぱくぱくと彼女の口が動くが、何をいっているかは聞こえない。
何を見ているのだろう、生憎死角で見えなかった。
その隙にと立ち上がった姫川はナイフを具現化し、自巳に襲いかかる。
飛んだが、前髪がナイフで切れ、黒髪が流れる。
その時に見えた、彼女の真紅の目に、誰もが動揺した。
。
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暁(プロフ) - なっ、、、、、最高やん!! (10月8日 20時) (レス) @page14 id: 7af3ce7feb (このIDを非表示/違反報告)
Marina3931(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き気になります!更新頑張ってください!応援してます! (2019年3月24日 21時) (レス) id: 51b9f66c6c (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 序章が終了になって、早く続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年3月20日 20時) (レス) id: c428feaf44 (このIDを非表示/違反報告)
闇に染まった林檎 - いろはす@みかん味さん» 有り難う御座います。文才もっと鍛えられるよう、頑張ります。 (2019年1月21日 18時) (レス) id: 1a0ea6d466 (このIDを非表示/違反報告)
いろはす@みかん味(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年1月20日 23時) (レス) id: 467fd6b5c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:闇に染まった林檎 | 作成日時:2019年1月19日 18時