何で ページ8
・
リングに立つ二人の女子生徒。
一方は相手を睨み付け、一方は素知らぬ顔で相手を見つめていた。
「きゃー!麗様頑張ってー!!」
「圧勝なさってくださいねー!!」
「ふふっ、みんなありがとう」
麗が見たことないくらい素敵な笑顔を、ギャラリーに向ける。
彼女が、Sクラス以外に本性を見せてないからだ。
表では心優しい美少女を演じている。
麗が歓声を浴びる中、自巳は奇怪な目で見られたが。そこも気にしないのが自巳である。
それぞれ準備が整ったのを確認した歌詞太郎が、手を振り上げる。
「…レディファイト!!」
ぼんっ。
麗が能力で太刀を出し、自巳に向かって刃を向ける。
勝負がもう決まるのか…誰もがそう思った時だ。
きぃん…!
刃と刃がぶつかり合う嫌な音が響く。
自巳は手にした鎌に力を入れ、麗を跳ね返した。
麗はとっさに受け身を取り、留まる。
彼女の目は、自巳の鎌に向く。
「え…。っなんっで!あんた、【遠視】じゃなかったの…!!??」
再度に迫る麗の攻撃をかわし、受ける自巳は手を休まずに答える。
「…誰も【遠視】だなんて言ってませんよ。少なくとも私からは。貴方達のデマじゃないですか」
がっと今度は自巳が攻撃を仕掛け、頰を切る。
鎌を振り回す…操る自巳に、よろけた麗。
すかさず足に蹴りを入れ、麗をこかした。
まだ、自巳の攻撃は続く。
がんっがんっと麗に当たらない程度のところに鎌を振り下ろす。
麗も太刀を使い、対抗。
「(なんで他の物召喚しないのかなぁ。あ、空想する暇がないのかな)」
そう思った矢先、麗が見えないくらいのスピードで、自巳の下から逃げた。
彼女の足には、脚力強化シューズが履かれてあった。
そういえば、彼女は元から足が早いんだった。
呑気にいると、上から影がかかる。
上を見れば、檻が落ちてくるところだった。
もう檻が地につくとき、自巳の姿がブレて消える。
観客席からどよめきが走る。
「…?!どこッ!?」
「…ここ」
自巳が現れたのは麗の真後ろだった。
・
138人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
暁(プロフ) - なっ、、、、、最高やん!! (10月8日 20時) (レス) @page14 id: 7af3ce7feb (このIDを非表示/違反報告)
Marina3931(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き気になります!更新頑張ってください!応援してます! (2019年3月24日 21時) (レス) id: 51b9f66c6c (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 序章が終了になって、早く続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年3月20日 20時) (レス) id: c428feaf44 (このIDを非表示/違反報告)
闇に染まった林檎 - いろはす@みかん味さん» 有り難う御座います。文才もっと鍛えられるよう、頑張ります。 (2019年1月21日 18時) (レス) id: 1a0ea6d466 (このIDを非表示/違反報告)
いろはす@みかん味(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年1月20日 23時) (レス) id: 467fd6b5c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:闇に染まった林檎 | 作成日時:2019年1月19日 18時