9.弱気な蒲公英 ページ10
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『きりや様!かなた様!今回は宜しくお願い致します!』
「星川様。お話は聞いております」
「気を付けて行ってらっしゃいませ」
『はいっ!』
参加者がもう全員、藤襲山の中へと行ったであろう頃合いを見て私はきりや様とかなた様に話しかけた。
ご挨拶はしとかなきゃって思ってたけど、親しげに話してる所を見られたら、鬼殺隊関係者とかバレちゃいそうだし。
だから誰も居なくなってから、挨拶して私も藤襲山に行こうと思った次第。
……だったんだけど。
あれ?
視界の端に未だ蹲って藤の花の木から離れない子が1人。
綺麗な金髪……いや金より黄色寄りな髪の男の子。
どうしたのかな。
『君は行かなくて良いの?』
「ひいぃぃぃッ?!!」
『うぁぁッ?!』
話しかけたら思いのほかビビられて思わず私もビックリしてしまう。
そしてそれをきりや様とかなた様に見られた。
恥ずかしい。
「ほっといてくれよぉ!!どうせ俺はすぐ死ぬ!死んじゃうの!だから勇気が出ないと行けないの!!」
『えっ、えぇ……?大丈夫だよ、少なくともここに居るって事はそれなりの実力があるって事だし』
「無理無理無理無理!!俺は弱いの!!ここには無理やり連れて来られたの!だから実力とかそんなの俺には伴ってないの!!わかる?!」
『う〜ん、そんな事無いと思うけど……』
体育座りで顔を伏せて、嫌々と首を横に振る黄色い男の子。
だからと言ってずっとここに居られても、失格になっちゃうんだけどな。
それに、この子は恐らく弱くない。
少なくとも藤襲山に居る鬼達には絶対に負けないであろう実力は持っている。
鬼狩りを続けていれば、そういった勘も自然と身に付くものだ。
だからこの子には是非この最終選別を突破してほしいと思った。
そのためにも、早く山の中に入らせたいのだけど……どうしたものか。
「とにかく俺の事はもう放っておいて君は君でッ、て女の子ぉ?!」
『うわぁっ?!?!』
すると悩んでたら唐突に、黄色い男の子が振り返った。
そして私と目が合った瞬間、目が飛び出たのでは無いかと思うほどその子はビックリして、私もまた急なその叫び声に本日2度目の悲鳴をあげてしまったのだった。
「うわぁっごめん!女の子だったのね?!そうとは知らずに俺ッ、しかもめちゃくちゃ可愛いんですけど?!」
さっきまでの態度は何処へやら。
黄色い子は私の手を掴むと、勢い良く立ち上がった。
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神崎セルザ@新垢2(プロフ) - みゅうさん» 初めまして!苗字は夢主の呼吸の名称と関連づけてるのもあって、申し訳無いのですが固定になりますね……!変換は出来ない設定になっております……! (2021年1月24日 20時) (レス) id: 153d28bbbb (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - 初めまして。これから読ませて頂くのですが、苗字の変換は出来ないんでしょうか? (2021年1月20日 21時) (レス) id: e91153c43b (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - セツさん» ありがとうございます!!もはや私の性癖全部詰め込んだみたいな煉獄さんですが、そう言ってくださると励みになります!笑 頑張ります! (2021年1月17日 21時) (レス) id: 153d28bbbb (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - 初めましてー!!煉獄さんの本誌でのイケメンっぷりたるや……やばいですよね笑 私の小説の煉獄さんはめちゃくちゃえちえちなドS増し増し煉獄さんですが、お気に召して頂けたなら私も嬉しいです!頑張ります! (2021年1月17日 20時) (レス) id: 153d28bbbb (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 面白いです!これからも更新頑張ってください、応援しています! (2021年1月17日 1時) (レス) id: b28a5b6b48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎セルザ@新垢2 | 作成日時:2020年12月5日 18時