【煉獄杏寿郎】煉獄さんは実はドSなんです【鬼滅の刃】

13.背後に注意 ページ14

.


『とにかく！竹刀とかを使って稽古の一環で勝負ならまだ出来るけど……』

「竹刀？そんなもの持ってねぇ！」

『だからね？つまり……ん〜と、この最終選別が終わったらね！いくらでも稽古はしてあげる！』

「稽古じゃねぇ！俺は」

『勝負も！！分かった？』

「……」

『あ、ところで名前なんて言うの？』



なんだか今回の最終選別は個性的な子が多い気がしてきた。
黄色の善逸くんに、この子は青色の……って名前なんだろう？



名前を聞くと、何を拗ねたのかぷいっとそっぽを向く青色の男の子。



「教えねぇ」

『……ん〜、じゃあ勝負の話は無しかなぁ』

「嘴平伊之助だ！！！」

『ふふっ、私は星川A。よろしくね！』

「絶対これが終わったら勝負しろよ？！」

『鬼殺隊に無事入れたらね！』

「なら何がなんでも入ってやる！！」

『ふふふっ、なんか可愛いね伊之助くん！！』

「は？なッ、やめろ！！！」



話が通じないタイプか！とか思ってたけど、それと同時に伊之助くんは単純で扱いやすいタイプだった。
なんだかそれが妙に子供っぽくて、可愛く思えてしまう。
条件反射で頭をわしゃわしゃと撫でたら、彼は案の定嫌がるそぶりは見せたけど、本気で嫌がってはないようだったので遠慮なくいかせてもらう。



そうして伊之助くんとは、これが終わったら勝負するという約束をしてから別れたのだった。



それが、最終選別初日の話。



それから２日が経った、最終選別３日目の今日。
初日こそ色々とあったものの、伊之助くんに会った以来、めっきり誰にも会わなくなってしまった。



善逸くんは無事だろうか。
後あの特徴的なピアスの男の子はまだ生き残っているかな？
話してみたいけど、何処に居るんだろう。
意外と山ってのは広いもので、伊之助くんに会えたのも奇跡だったかもしれない。



『はぁ、また誰かに会わないかな〜。っていうか煉獄さん今何してるかな〜、任務かな』

「おい」

『あぁそういや不死川さんも今何してるんだろ〜、任務？と見せかけてのカブト虫狩りだったりして』

「俺は今お前の後ろに居るぞォ」

『え、なんか不死川さんの声が聞こえる、あの人まさか藤襲山にまでカブト虫採りにきてるの？』

「……」



２日も誰とも喋れないとか流石にちょっと寂しくて、気を紛らわすために独り言を呟いた。
あぁ煉獄さんが恋しい、柱の皆も元気かなぁ。



.

14.おはぎ→←12.その被り物の下は

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す