おいかわとおるすいっち！【及川徹】

09：甘く、 ページ9

「フンヌフーン♪」





なんて、鼻歌歌いながら自転車をこいで登る坂道。

今日は一日中暇な日で、彼女と会う約束は午後から。






今日は彼女と付き合って2年目の記念日。

だからこの午前中のうちにネックレスでも指輪でも

彼女の好きなものとか、似合いそうなものとか。

そんなものを買っておこうって思って。






でも、









＿＿＿＿キィン







「、、ッ！？」





頭の割れるような痛みが走って。

自転車を止めることもできず転げ落ちるように自転車から身を投げ出した。





視界が滲んで、歪んで。




なんだ、これ。




うずくまって、痛みを堪えて、

涙目になりながらも頭を押さえながら耐え抜いて。







痛みはしばらく続き、痛みが治まってからは、おとなしく病院に向かった。







　




ただの頭痛だと思ったから、

ほらよくあるじゃないか。

テレビでやってるようないろんな種類の頭痛。




その中の一個だと思って。





頭痛薬もらって、痛くなる前に飲んで

気づいたら治ってたりして。




そんくらいだと思ってた。








今までいろんなことうまくいったからかな。









甘く、みてたなぁ。






　

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