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たどり着いた場所は、バレー部の部室らしき場所だった。
「俺の貸したる」
「えっ!?そんなおこがましい!」
ええから、ぎょうさん持ってるしな。
ロッカーから、1枚1枚サイズを確認しながら喋る北さん。
これがええかな、と私に上下1セットずつ手渡して
誰か来ないか見張っているからその間に着替えておけといってすぐにドアを閉めた。
無駄がない、というか。隙がないなあ。
しょうがない、やってやるか!と
勢いよく制服を脱ぎ、練習着を着た。
黒いTシャツで、下着もすけないし。
北さんもしかして、それ考慮してくれたのかなあ。
北さんのことだしさりげなくそうしてくれてても不思議じゃないな。
キュッとズボンの紐を思いっきり引き締めて、
Tシャツに腕を通し、気づいた。
「(お、っきぃ…)」
肩と腕の間までの長さのはずの袖丈は、私の膝までゆるりとかぶさっていて、
裾は足の付け根まで来ていた。
そりゃ、北さんが大きいのは知っていたし、
サイズが合わないことも着る前からわかってはいたけど…
これは…
「(だれでもきゅんとしちゃうでしょ…)」
ずるい、きっと北さんは「大きかったな」なんて平気な顔していうんでしょ。
私がドキドキしてるのも知らずに、いつも崩さない無表情で。
そういえば私、北さんの無表情以外の顔、見たことないなあ。
北さんはいつも、なにを思ってるんだろう。
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めめこむまーりん(プロフ) - 続編楽しみに待っています (2020年4月15日 17時) (レス) id: 43047aa610 (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - 北さーーーん(涙) この先どうなっちゃうのかめちゃくちゃ気になります(涙) 続編お待ちしてます! (2020年4月13日 19時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネネ | 作成日時:2020年4月10日 5時