06 ページ6
スタスタと歩き続ける彼に追いつくために駆け足で追いかけていた私は、
運動不足のせいか、そんなに走っていないのにすこしだけ息を切らしてしまった。
「悪い、速かったか」
「いや全然!気にしないでください!」
早歩きすれば余裕です。
笑う私に北さんは立ち止まり私をじっと見つめた。
「小さいからなあ、足の長さもちゃうしなぁ」
大変やなあ、荷物かし。
差し出された右手に私は一度首を横に振ったが、
俺は大きいし力持ちやから大丈夫やで。
と半ば強引に取られてしまった。
確かに私は150cm後半で、北さんから見ればだいぶ小さく見えるんだろうなあ。
「…小さくて…」
北さんは何cmなんだろう。
考えていると隣で小さな声が聞こえた。
「…小さくて、大変やなあ」
「あは、それさっきも言いましたよ?」
侑くんも治くんも、北さんには冗談が言えないとか、あんなに怖い人はいないとか、そんなこと言ってたけど
私はそうは思わないなあ。
私の歩幅に合わせたゆっくりとしたペースで廊下に2人の足音が響いた。
窓から差すオレンジがさっきより濃くなっていて、
彼の白い肌を優しく照らした。
「(やっぱり、綺麗な人だなあ)」
私はやっぱり、彼から目が離せなかった。
85人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めめこむまーりん(プロフ) - 続編楽しみに待っています (2020年4月15日 17時) (レス) id: 43047aa610 (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - 北さーーーん(涙) この先どうなっちゃうのかめちゃくちゃ気になります(涙) 続編お待ちしてます! (2020年4月13日 19時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ネネ | 作成日時:2020年4月10日 5時