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キーンコーンカーンコーン
学校の終わりを知らせるチャイムが鳴って、
侑くんはいつもの通り、荷物を持って靴箱まで一緒に帰ろや、と笑った。
「あ、今日は…」
「A、帰らんの?」
“ じゃあ放課後迎えいくから教室でまっとって。”
満足そうな顔をした彼が頭をよぎって、
どうして、私を誘ってくれたんだろうと思った。
それに北さんは迎えにいくって言ってくれたけど
バレー部の侑くんが同じクラスなんだしお迎えなんていらないんじゃ____
「A?」
「____っごめん!ぼーっとしてた」
ちょっと教室にいなきゃいけなくてね、
先行ってて!
「先?まあええけど…また明日な!」
元気よく手を振って教室を出た彼。
びっくりするんだろうな、急にバレー部に入るなんて。
北さんがどうして迎えにきてくれるのがわからなかったけど、
来てくれるんならせっかくだから侑くんにはサプライズでびっくりさせよう。
「ふふふ」
なんでやねん!なんて言うのかな。
なんて考えながら笑が溢れる。
…そういえば、北さん遅いなあ。
教室を出て姿がないか確認しようと顔をあげると
「…やっと気づいたか」
「わぁ!?」
ぴっちり締められたワイシャツとネクタイ。
腕を組んで寄り掛かったドアの窓からはほんのりオレンジ色が差していた。
表情は相変わらず無表情で、なのにその姿はあまりにも綺麗で。
私は、しばらく目が離せなかった。
「声かけてください〜!」
「なんや楽しそうに笑うてたから」
ほな行こか。
サクサクと歩き始める彼に、私は慌てて早足で追いかけた。
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めめこむまーりん(プロフ) - 続編楽しみに待っています (2020年4月15日 17時) (レス) id: 43047aa610 (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - 北さーーーん(涙) この先どうなっちゃうのかめちゃくちゃ気になります(涙) 続編お待ちしてます! (2020年4月13日 19時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネネ | 作成日時:2020年4月10日 5時