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そんな宮兄弟が怒られた日から数日。
侑くんと仲良くしていたら、自然に治くんとも仲良くなって
お互い下の名前で呼び合うようになり、2人の扱いにも慣れてきた頃。
「(あ、)」
お手洗いからの帰り、廊下で北さんを見かけた。
あいさつ、するべきかな。
悩んだ末、目があったらお辞儀くらいしておこうと
彼の顔に目を向けた時
「!」
ばっちり、目があった。
目を向けた瞬間に目があったから、北さんの方が先に私に目を向けていたらしい。
「あ、えと、こんにち____」
「なあ、」
こんにちは、と言い切る前に彼に遮られ、
なあ、と言ってからしばらく彼は黙ったままだった。
私はなんだろうと首を傾げる。
「…あの、北さん…?」
あまりにも黙ったままなので、名前を呼んで顔を覗き込むと、
ハッと気がついたように少しだけ体が跳ねて、
あ…と小さな声を漏らした。
「バレー部、入ってくれへん?」
今バレー部マネージャーがおらんくて
いたら助かるなあって思うとるんやけど。
終始、まっすぐに私の目を見てはっきりとした声で言う彼。
無表情で、一切表情を崩さない彼からは、なにを考えているのかわからなかった。
「えっと、私…」
「…入らん?」
一歩私に近づいて、変わらない静かな声で言う。
確かに、圧が…!すごい…!
「は、い、ります」
圧に負けて、出ない声を絞り出して言うと、
ええの?じゃあ放課後迎えいくから教室でまっとって。
と、心なしか満足そうな顔をして歩き出した彼。
私は小さな情けない声で「はい…」と答えて、
呆然として数秒歩き出すことができなかった。
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めめこむまーりん(プロフ) - 続編楽しみに待っています (2020年4月15日 17時) (レス) id: 43047aa610 (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - 北さーーーん(涙) この先どうなっちゃうのかめちゃくちゃ気になります(涙) 続編お待ちしてます! (2020年4月13日 19時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネネ | 作成日時:2020年4月10日 5時