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「…夏休みに一週間くらいの合宿やるから

親に承諾もろうてくるように侑に言うといてくれ。」




「合宿ですか!」




運動部っぽい…!私も行くのかな…!

そんな気持ちで彼の目をみつめると、

彼は珍しく気まずそうな顔をした。




「合宿なんやけど…マネージャーは行けないねん」

「…っえ!?」



どうしてですか…!と問うと、

宿泊先に女湯がないだとか、

だからといって近くのホテルに泊まるのも何か違うし、

せっかくの夏休みなんだから一週間くらい休めみたいな話だった。





たしかに一週間お風呂なしはきついし、

宿泊先の場所を調べたが、近くに銭湯などもないようだし。

自腹で一週間ホテル泊まりもできないし、

近くのホテルをとってもらうのは何か違うのはわかる。



でも、それでも私はバレー部の一員なのだから

合宿も一緒に行って、応援したり、ご飯食べたり、そういうことがしたかった。




ううううと声を出しながら足踏みをする私に

ごめんなと申し訳なさそうに彼が言う。





「どうしても、だめなんですか?」




黙ったまま眉を下げて私を見つめる彼に、

私ははぁとため息をついた。






「ごめんなあ、連れていけないねん」

「…わかりました、あきらめます…」




下を向いて、残念だと肩を下ろす私に

もう一度ごめんなと彼は私に言って

私は言いすぎですよと笑って顔を上げた。







「女の子ひとりは、心配や。」






つぎちゃんと個室が用意できて、女子風呂あるとこにちゃんと泊まれたら連れてくからな。

楽しみにしとき。





そう眉を下げてすこしだけ微笑んだ彼の手は、

私の頭に触れていた。





「(え、あたま、なでられ、)」





顔が熱いのが自分でもわかった。

心拍数が一気に上がって、のぼせて倒れてしまいそうだった。


いままでそういう、恋愛に疎かった私には

こんなこと奇跡でしかなくて、憧れでしかなくて。






「たっ楽しみにしときます!侑くんにも伝えておきます!ありがとうございます!」





バッと頭を下げて、一息で言葉をぶつけ「では!」と教室に走って逃げた。







熱くなった顔の熱がいつまでも逃げなくて、

窓を開けて風を頰に当てた。





「(北さん、ずるい…)」

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設定タグ:北信介 , 稲荷崎 , ハイキュー!!   
作品ジャンル:恋愛
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めめこむまーりん(プロフ) - 続編楽しみに待っています (2020年4月15日 17時) (レス) id: 43047aa610 (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - 北さーーーん(涙) この先どうなっちゃうのかめちゃくちゃ気になります(涙) 続編お待ちしてます! (2020年4月13日 19時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネネ | 作成日時:2020年4月10日 5時

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