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「なあA」
「どうしたの?」
お昼休み、食堂でご飯を済ませて教室までの帰り道。
侑くんがすこし緊張したような顔で私を呼び止めた。
「お前さあ、」
「?」
「……」
口をもごもごさせて、何か言いづらそうに
昨日の、ことやけど。と小さな声で言う彼。
私は首を傾げて、昨日?と彼に問う。
「やっぱなんでもない!気にせんで!」
俺トイレ行くわ!先教室行っといて!
そうトイレとは反対方向に走る彼に、私はもう一度首を傾げて彼の背中を見つめた。
「なにしてるん」
「っきたさん!?」
彼の姿が見えなくなる頃に、急にうしろから北さんが現れて、
驚いて体が跳ね、心臓はバクバクと音を立てた。
「北さんこそ、なにしてるんですか?」
「俺は侑に用があってん。侑は?」
「それがちょうどいま走り去っていったところで…」
なんか挙動不審なんですよ、侑くん。
彼が走り去っていった廊下をぼんやり眺めながら言うと、
侑はいつも変やからなあ。と半分呆れたような声が隣から聞こえた。
「まあええわ、伝えといてくれるか?」
「まかせてください!」
まかされた!と喜ぶ私とは反対に、
あっと何かに気づいたような顔をした彼が、
侑くんが走っていった廊下をもう一度確認して、
戻ってこないか…と呟いた。
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めめこむまーりん(プロフ) - 続編楽しみに待っています (2020年4月15日 17時) (レス) id: 43047aa610 (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - 北さーーーん(涙) この先どうなっちゃうのかめちゃくちゃ気になります(涙) 続編お待ちしてます! (2020年4月13日 19時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネネ | 作成日時:2020年4月10日 5時