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それからしばらく。
部員の皆さんの名前も覚えて、部活のジャージもとどき
スコアの書き方やらルールやらを目で見ながら、本で読みながら、北さんに教わりながら覚えて。
バレーボールをする真剣な顔。
世話焼きなところ。
ふと笑った顔。
ふわっと香る花の香り。
きついように見えて、実は優しい声色とか。
あのさらさらした髪の毛に触れる日はくるのかなあとか。
手の大きさはどれくらいなんだろうとか。
いつもなにを考えているのかな。
私のことどう思っているのかな。
一ヶ月もすれば、教えてもらうこともなくなって
練習着を貸してもらうこともなくなって。
彼との会話はずいぶん減ったように感じた。
それとは反対に、私の気持ちはどんどん大きくなり
最初は「お母さんみたい」だとかいってごまかしていたけど
そろそろ、ごまかせなくなってきた。
なにがきっかけだったのか。
まだ彼と出会って2ヶ月程度しか経っていないのに。
オレンジの差す廊下を歩いたあのときから
私は北さんが好きだったのかもしれない。
出会って間もない。
だけど北さんならいい気がした。
これからも好きでいるなら、出会ってからの短い期間で好きになったっていいんじゃないかな、なんて。
都合いいかなあ。
「似合うとるよ、ジャージ」
「当然です、私もバレー部ですもん」
せやなあ
あれからずいぶん、彼の笑顔を見るようになった。
見るたび胸はきゅっと締め付けられて…
______私、北さんが好き。
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めめこむまーりん(プロフ) - 続編楽しみに待っています (2020年4月15日 17時) (レス) id: 43047aa610 (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - 北さーーーん(涙) この先どうなっちゃうのかめちゃくちゃ気になります(涙) 続編お待ちしてます! (2020年4月13日 19時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネネ | 作成日時:2020年4月10日 5時