45 ページ6
荒北side
「ワッハッハ！皆、記念写真撮るぞ！！」
卒業式が終わった。
卒業式終わった後恒例のみんなで写真やらプレゼントやらで、みんな大盛り上がり。
「卒業式長い話ばっかで疲れたから俺帰っていーい？」
「何言ってんだ靖友。これから後輩の所へも行かなきゃだろ？」
「そうだぞ。自転車競技部を担う後輩達に挨拶は大事だぞ。」
今日で会うのが最後じゃねーからいいじゃん。なんて思ったけど、まぁ顔出してやっか。
写真を撮りまくってた東堂も引っ張って、後輩達を探そうとした時
「あ、あの！荒北くんっ」
女子から声をかけられた。
「あー、確か隣のクラスの…」
「急にごめんね！荒北くん、あの…ブレザーの第二ボタン…貰ってもいいかな？」
「…ハ？」
顔を赤らめてそう言ってくる女子にポカンとした。
「ヒュウ！やるなぁ靖友。」
茶化してくる新開はとりあえず無視。
第二ボタンって…あれだよな。
好きな奴や憧れてた奴のボタン貰うっていう漫画とかドラマでたまにあるやつ。
まだそんな風習あったんかヨ。
よく見たら福チャンも東堂も新開もブレザーのボタンが全部無くなってた。
「あの…ダメだった？」
「え、あぁ。別にボタンくらいやるヨ。」
「本当！？ありがとう！！」
第二ボタンを取って女子に渡すと、『大学でも頑張ってね！』つってその場から離れてった。
「荒北〜〜…」
東堂が『あーあ』みたいな表情でこっちを見てくる。
「ンだよ。」
「良かったのか？ボタンあげて。」
「アア？別にもう着ねーしいいんじゃナァイ？」
「ちがーう。Aちゃんにあげなくて良かったのかと聞いてるのだ。」
「………あ。」
やれやれとでも言いたそうな顔の東堂。
…確かに、こういうのアイツも欲しがりそうだよなァ…。
ーーーー
「私も靖友くんの第二ボタン欲しかったなぁ〜」
夕方、Aに会いに行くとやっぱり残念そうな顔をした。
「ごめんねェ、軽い気持ちで渡したから…」
「……その女の子、靖友くんの事好きだったのかなぁ」
昨日ようやく気分が晴れたと思ったAだったのに、まぁたモヤモヤした顔を見せてる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 228人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蓮菜 | 作成日時：2021年4月10日 0時
