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「なーにニヤついてんだヨ」
「わっ！やすくんっ！」
いつのまにか私の近くにいたやすくん。
そのまま私の隣に腰をおろして、ごくっとベプシを飲んだ。
「休憩？」
「ン。友幸も今は別の事やり出してる。やっぱ子どもはいろんなことが気になるみたいだネ」
「くすっ、ほんとだ。原っぱにしゃがみ込んでる。虫でも見つけたのかな？」
「そーかもな」
いろんな事に興味持つことはいい事だ。
その中に『自転車』が入ってる事がやっぱり私も嬉しい。
「友くん、自転車乗れそうだった？」
「ンー、練習重ねたらいけると思う。でも今はまだビビってるみてぇで無理そう。」
『まぁ、乗れるようになるまで何日でも練習付き合ってやる』って言葉を付け加えるやすくんは、やっぱりいいお父さんだ。
「ふふっ、練習の付き添いお疲れ様」
「あんがとネ」
頭をぽんぽんと撫でられ、ふにゃっと口元が緩んじゃう。
「ねぇやすくん。」
「ナニ？」
「私、やっぱり結婚して幸せノート書くのやめて正解だ。」
「ハハッ。んだよ、急に」
「だって1週間で1冊使い切るどころか、3日も保たなさそうなんだもん。」
今のこの瞬間も幸せ。
たくさん幸せを貰ってる。
ノートじゃなくて心の中に幸せをたくさん詰め込んでも、幸せな気持ちが溢れちゃう。
「私、世界でいちばん幸せかもしれない。」
「…大袈裟すぎんだろ」
私の言葉を聞いて、やすくんも目を合わせて笑ってくれた。
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作者名：蓮菜 | 作成日時：2021年4月10日 0時
