ある日、病室に野獣がきました。(番外編②)【荒北靖友】 (ページ24)

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Aside

天気のいい日曜日。お弁当を持って公園へ。

「やっぱり人多いね」

「まぁ日曜の昼だし、こんなもんじゃねーの？」

……数年前、ここでシロツメクサの指輪をもらった私の左手には、今はシルバーのリングがある。

今一緒にいる大好きな人とお揃いの指輪。

「やすくん、お仕事せっかくお休みなのにお家でゆっくりしなくて良かったの？」

「バァカ。ナァニ気にしてんの。これはこれでリフレッシュ出来てるっての」

「ふふっ、それなら良かったぁ」

ほんとは疲れてるはずなのにありがとう。

私の旦那さんはやっぱり優しい。

「ママ！ぼく、キャッチボールしたい！」

「キャッチボールいいねっ。でもお弁当食べてからだよ？」

「はーい！」

私の右手を握ってにこにこしてるのは、荒北友幸(トモユキ)。

友幸…友くんは、野球選手になるのが夢な5歳の男の子。

毎日パパと野球のお話をしてる。

「パパっ、はやいボールなげてね！」

「ハッ、友幸。おめーそう言ってるけど、速いボール見たら泣くじゃん」

「う…っ。き、きょうはなかない…！」

「ぷっ。ハイハイ。」

「ぼく、つよいこだもんっ」

もう既に涙目になって訴えてる友くんに、笑いながら頭をガシガシと撫でるやすくん。

…その撫で方、昔から変わってないなぁ

そう考えながら、大好きな2人のやり取りをくすくす笑って眺めた。

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