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荒北side
ホント、子どもってのは元気だな。飯食ったばっかですーぐ遊びだす。
ま、元気なのはいい事だよネ。
「やっぱりパパ、ボールなげるのじょうず！」
「ハイハイ、あんがとねー」
「ぼくもはやく、パパみたいにじょうずになる！」
にこにこ楽しそうにしてる息子はやっぱ可愛いもんだな。
その顔見てると自然とこっちまで口角上がっちまう。
…こいつはAみたいに、心臓も悪くなくて喘息もなくて良かった。
遺伝も心配してたけどそれも無かったから安心した。
今ではAも全く喘息発作ないし、嬉しい事ばっかりだ。
「…ねぇパパ」
「ン？」
駆け寄ってきた友幸が服を引っ張る。
空いてる手で友幸が指さした先にあったのは、自転車。
「あれ、やりたい！」
自転車…そーいえばここ、自転車レンタルしてる公園だよな…
「おめー家に三輪車あんじゃん。」
「おうちのじゃなくて、タイヤが２つのがいい！あれがかっこいい！」
「つーか乗れんのォ？あれ」
「パパとれんしゅうする！」
目ェきらきらさせて俺を見てくる友幸に、いつかのAの姿を重ねた。
「ハハッ、わかったわかった。付き合ってやんヨ。」
「やったー！！ありがとーパパ！」
…同じ場所で、同じようにきらきらした表情で、俺に自転車の乗り方教えろって…
…やっぱり親子だな。
思わず笑っちまったじゃねーか。
「よし、おめーが乗れるようになるまで付き合ってやっからな。」
友幸の頭をガシガシ撫でたあと、自転車レンタル場に向かった。
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作者名：蓮菜 | 作成日時：2021年4月10日 0時
