賑やかな委員長決め 其の一 ページ27
薬局に寄るため、今朝はいつもより早く病院を出た。
「あ、来たね芥川くん、ほらいつもの奴。」
貴「…ありがとうございます…」
袋に入れられた薬を受け取る。三ヶ月分なので量が多い。それなりに重さもあるが、羅生門で持てば問題ないだろう。
「そうだ、ご贔屓にしてくれてるお礼にオマケ付けておいたからね。」
一つの小さな容器を渡される。
貴「…これは……軟膏か？」
「まぁそんなもんだね。正確には保湿クリームってやつ。肌荒れしてる所とかに塗ればいいよ。ま、見る感じ芥川くんには必要なさそうだけど。」
貴「いや、有難く貰っておく。」
これはこれで何かの役にたつだろう。
薬の入った袋を持ち、薬局を後にした。
＿＿＿＿＿＿
貴「何だ此奴らは……」
学校に着いたのはいいのだが、校門の前に群がる集団。報道陣だ。
どうやら登校した生徒を囲み質問しているらしい。
貴「面倒だな…」
流石にあれの中を突っ切って校舎に入るのは些か骨が折れる。それが五月蝿く
どうしたものかと周りを見渡せば、報道陣から少し離れた場所に一人、男が立っていた。
その男は首を掻き毟りながら、ただぼんやりと報道陣を見ていた。
貴「(報道陣の人間ではないのか…？)」
何となしにその男を見つめていると、此方を向いた男と目が合った。
灰色がかった水色の少し癖のある髪、カサカサに乾いた唇、傷のある顔。
そして何より僕の目を惹きつけたのは血色の輝きを灯す瞳だった。
その瞳に映るのは今の社会に対する不満、憎悪、嫌悪。
何となく僕と同じものを感じた。
男から目を逸らし、再び校門の方を見る。あの報道陣が簡単に帰るわけがない。とはいえ、このまま待ち続けていても遅刻してしまう。
どうしようか。いっその事、羅生門で校門を飛び越えてみようか。
そう考えていた時、
「ねぇ、あんたも雄英の人？」
先程の男に声をかけられた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 764人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
十七夜(プロフ) - お答えします。主人公の芥川妹は文ストの世界から来たいわば転生者です。文ストでは少し難しい漢字や言い回しをするのと、転生者として他のキャラクターと違いを出そうと思ったからです。これからもよろしくお願いします。 (2019年5月11日 9時) (
レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - はじめまして！この作品すごく私好みの作品です！一つ質問ですがヒーローをヒーロォと書いているのはなぜですか？ (2019年5月11日 2時) (レス) id: 1a55ee5e7b (このIDを非表示/違反報告)
十七夜(プロフ) - ありがとうございます！楽しんで頂けるように、これからも頑張って更新していきます！ (2019年5月6日 19時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです！文ストもヒロアカも好きな、自分にとってはもうご褒美としか、言いようがないです！ありがとうございます。更新がんばってください！応援しています！ (2019年5月6日 17時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
十七夜(プロフ) - 雫さん» 応援ありがとうございます！一人称がやつがれな無自覚系男装女子が書いてみたかったのです。これからもよろしくお願いします！ (2019年5月1日 18時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十七夜 | 作成日時：2018年11月10日 17時
