モヤる城下町 ページ6
気配なく真横にいた人を見上げる。
緑のパーカーを目深にかぶっている為、表情は読み取れそうにない。
兵「ゾム様！？なぜここに！？」
どうやらこの人は偉い人らしい。
あちらこちらから、ゾム様とこの人の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。
呼ばれている当の本人は慣れているのか、気にする素振りも見せず、私へと黒水晶を差し出した。
zm「ん、別に興味ないわ」
『……ありがとうございます』
兵「ゾム様お下がりください！この女、入国希望のようですが、何やら怪しく」
zm「あー、ええねんええねん。こいつは俺が探しとった奴やから」
兵「で、ですが！？」
zm「急いどんねん。通らしてもらうで」
言うやいなや私の腕を掴み、引っ張られて門をくぐらされる。
このゾム様はそんなに階級が上なのか誰も文句は言えないようで、門番は敬礼をしながら道を開けた。
門の奥はトンネルになっていて、その先に開けた空間に目を見開く。
沢山の人、人、人…
城下町であるそこは沢山の人で溢れ返り、賑やかで楽しげで活気あふれている。
露店のように並べられた様々な品物。
それは城まで続くように繋がっており、何列何重あるのか分からない位に広がっていた。
ただ気になるのは黒いモヤ。
人と言うより、城下町全体に薄い霧のような物が掛かっている。
誰も特に気になっている様子も無いようだけど、あれは何だろうか。
なんて考えていた私の腕がグイッと引かれる。
zm「こっちや」
『あの、助けて頂いてありがとうございました』
zm「ん？あぁ、そんなんええんやけど…」
ゾム様は私を見下ろして、立ち止まる。
やはりフードのせいで口元しか顔が見えないが、背の高いゾム様を正直から見上げる事で、フードの影からキラリと覗く黄緑の瞳が見えた。
おい、ロボロ！と、ここにはいない誰かへ呼びかけたゾム様の宝石のような瞳は、私を見つめ続ける。
zm「ほんまにこのコで合っとんやろな？」
右耳にイヤホンが着けてあり、それで会話をしているのだろうか。
ゾム様の右手は右耳に添えられていた。
そんな会話を聞きながら、私の目はゾム様の両肩に釘付けとなる。
城下町で見たよりも濃く黒いモヤが、ゾム様の肩辺りに蠢いていたから。
zm「分かったわ。連れてすぐ戻る」
そう言い、ゾム様は私へズイっと近付き、私を担ごうと手を伸ばしてくる。
当然黒いモヤも近付き、ゾワリと背中が粟立つ。
反射的に一歩下がった私を見て、ゾム様は口をへの字に曲げた。
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ゆかり(プロフ) - わぁーー、めっちゃ嬉しい！ありがとーございます！書きたい話はまだまだあるので、頑張りますね。 (2021年11月3日 20時) (
レス) id: 22f5afe48d (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - とても面白いです！どストライクにハマる世界観、書き方、夢主の性格...など！めちゃくちゃ好きです。次の更新楽しみにしています。無理せず頑張ってください！ (2021年11月2日 23時) (レス) @page31 id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 御三方、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！頑張る励みになりますね。そして銀狐様、ご指摘ありがとうございました。コソッと直してみました！ (2021年10月25日 12時) (レス) id: 22f5afe48d (このIDを非表示/違反報告)
銀狐(プロフ) - この作品好きです！これからも御体に気を付けながら頑張ってください！あと大食漢ではないでしょうか？ (2021年10月25日 10時) (レス) @page18 id: b88b2ea9fb (このIDを非表示/違反報告)
シー - え、めちゃくちゃ好きです！！応援してます！！ (2021年10月21日 3時) (レス) id: 7d376a875d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆかり | 作成日時：2021年10月15日 6時
