独りよがり ページ40
ut「あ、シッマや」
鬱様の声に振り向けば、こちらに気付かず通り過ぎるコネシマ様の姿。
コネシマ様はあれからずっと、会う度に複雑な色を背負ったままだ。
ut「シッマは大丈夫？」
『何か知ってるんですか？』
ut「んーん、何も言わんし知らんよ。ただここんとこ様子おかしいやろ」
遠ざかるコネシマ様のモヤは、水色のオーラに多色がグチャグチャとなり、混沌としている。
全体的に黒掛かっているが、湧き出る様子から体調不良と言うよりは悩んでいるように見えた。
ut「シッマの事、助けたってくれん？」
『でも私…コネシマ様に…』
ut「アイツ、素直やないだけでな。Aちゃん自身が嫌いな訳や無いと思うねん」
鬱様の青いオーラに、コネシマ様の水色のオーラが交じる。
これは嘘ではなく、本当にコネシマ様の事を考えて言われた言葉だった。
鬱様には周囲がよく見えるのかもしれない。
『私、ちょっと行ってきます』
ut「ありがとう」
どこに、と言わずとも察してくれた鬱様へ頭を下げ、コネシマ様を追いかける。
コネシマ様にはすぐに追い付いた。
追い付いたは良いがどう声を掛けようかと悩んでいれば。
kn「お前、ペ神に要らん事言うたな？」
と、急に振り向いたコネシマ様が話し掛けてきた。
『えっと…あの』
kn「ほっとけ言うたやろ。別に何も無いわ」
そういえばコネシマ様の調子が悪そうだと、ペ神様に相談した事を思い出す。
『でも、何か悩んでませんか？』
kn「…………別に」
『何に悩んでいるか打ち明けて欲しいなんて言いません。ただ……』
私に出来る事があれば手伝いたい。
そう言おうとして言葉に詰まる。
手伝いたいなんて、何を上から目線で勝手な事を考えているのか私は。
何も無いと言われているのに、これじゃただの独りよがり。
お節介の押し売りだ。
kn「…お前…あんま色々考えすぎたらハゲんど」
『コネシマ様こそ』
思わず咄嗟に出た言葉に、ヤバっと口を抑える。
コネシマ様は一瞬パチクリと瞬きをして
kn「……せやな」
と、今までで1番柔らかい表情を見せてくれた。
心臓がドキリと勝手に高鳴る。
違う違う違う。
出会ってから冷たい目を向けられる事しかなかったせいだ。
不意に優しくされて驚いただけ。
離れていくコネシマ様の背中を見ながら自分にそう言い聞かせる。
相変わらずそのオーラは混沌としている。
それでも。
オーラの水色が少し増したように感じるのは気のせいだろうか。
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ゆかり(プロフ) - わぁーー、めっちゃ嬉しい！ありがとーございます！書きたい話はまだまだあるので、頑張りますね。 (2021年11月3日 20時) (
レス) id: 22f5afe48d (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - とても面白いです！どストライクにハマる世界観、書き方、夢主の性格...など！めちゃくちゃ好きです。次の更新楽しみにしています。無理せず頑張ってください！ (2021年11月2日 23時) (レス) @page31 id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 御三方、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！頑張る励みになりますね。そして銀狐様、ご指摘ありがとうございました。コソッと直してみました！ (2021年10月25日 12時) (レス) id: 22f5afe48d (このIDを非表示/違反報告)
銀狐(プロフ) - この作品好きです！これからも御体に気を付けながら頑張ってください！あと大食漢ではないでしょうか？ (2021年10月25日 10時) (レス) @page18 id: b88b2ea9fb (このIDを非表示/違反報告)
シー - え、めちゃくちゃ好きです！！応援してます！！ (2021年10月21日 3時) (レス) id: 7d376a875d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆかり | 作成日時：2021年10月15日 6時
