情報の入手方法 ページ29
『コネシマ様、おはようございます』
kn「…おお」
話かけた相手が私だと分かり、すぐに視線を外される。
それでも無視をしない辺り、真面目な人なのだと思う。
残っていた食事をかっ込み出したコネシマ様は、早くこの場を去りたいのだろう。
初対面の時と変わらない態度。
ただ違う点が1つ。
黒いモヤがコネシマ様の肩だけでなく、頭付近にもユラユラとしている。
これが何を意味しているのかは分からない。
が、お皿が空っぽになり、トレーを手に立ち去ろうとするコネシマ様へ声を掛ける。
『頭が痛いとか重たくはないですか？』
kn「…何でや？」
『そんな風に見えます』
kn「知った風な事言うな。黙っとけ」
一瞥だけくれて、さっさと出ていってしまう。
あんな状態では頭が重いんじゃと思うが、私には答えてくれないと思うので、ペ神様にでも伝えておこう。
トントン様の書類整理を手伝う中、最近出来るようになった事が、処理済みの書類の保管だ。
もちろん私に見せて良い物を選んでるのは確かだけど、少し信頼されているようで嬉しい。
関係する事柄のファイルへ挟む為に書類内容を確認するが、ここで得る情報はとても価値がある。
今目にしているのは、農作物の収穫量を書面にした書類だった。
ひとらん様が言っていたっけ。
確かに収穫量が減っていて、表にすれば見て明らかである。
何年も前の戦争中は元々少ないが、終戦後に一定まで倍増し、そこからは現在も減少し続けていた。
備品購入や修繕の領収書に紛れて、幹部様の名前を見付ける。
他国へ任務で行っていた、ゾム様率いる数名の隠密機動隊の帰国日が今日。
前世で言う単身赴任のような物かと思うが、任務が人の命を扱う事だと考えれば別次元だ。
その後も私の日課をこなし、夜の自室で事件は起きた。
ドアのノック音がしたのは、エーミール様から借りた城下町ガイドを読んでいた時だった。
こんな時間に人が訪ねてくるなんて初めてな為、警戒しながらドア越しに声を掛ける。
『……はい？』
「ゾム…やけど、開けてくれん？」
弱々しく名乗る訪問客の声を聞いて、次の瞬間にはドアを開けていた。
『どうされたんですか？こんな時間に』
zm「……悪い、抱かせてくれ」
『え？……ぅわあっ！？』
ドアの向こうには見知ったゾム様の姿。
なのだが、まとう雰囲気が別人のようで。
声をかけるより先、苦しそうに歪められた黄緑の瞳に捕らえられ、同時に身体も物理的に捕らえられていた。
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ゆかり(プロフ) - わぁーー、めっちゃ嬉しい！ありがとーございます！書きたい話はまだまだあるので、頑張りますね。 (2021年11月3日 20時) (
レス) id: 22f5afe48d (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - とても面白いです！どストライクにハマる世界観、書き方、夢主の性格...など！めちゃくちゃ好きです。次の更新楽しみにしています。無理せず頑張ってください！ (2021年11月2日 23時) (レス) @page31 id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 御三方、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！頑張る励みになりますね。そして銀狐様、ご指摘ありがとうございました。コソッと直してみました！ (2021年10月25日 12時) (レス) id: 22f5afe48d (このIDを非表示/違反報告)
銀狐(プロフ) - この作品好きです！これからも御体に気を付けながら頑張ってください！あと大食漢ではないでしょうか？ (2021年10月25日 10時) (レス) @page18 id: b88b2ea9fb (このIDを非表示/違反報告)
シー - え、めちゃくちゃ好きです！！応援してます！！ (2021年10月21日 3時) (レス) id: 7d376a875d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆかり | 作成日時：2021年10月15日 6時
