【文スト】いつか観た夕焼け【太宰治】

34 ページ38

探偵社が動き出した。
屹度探偵社の切り札は人虎君だろう。樋口からもれて、其れを芥川君も知っているから白鯨へと乗り込む。

私では倒せない。
かつて双黒と呼ばれた2人なら可能性は無きにしも非ず。でも、中也はきゅうちゃんの救助で汚濁を使った事に依て本調子では無い。

屹度、一番の理由は育てる為にあの2人を投じたのだろう。

私は2人が羨ましい。迚も。
太宰さんに期待され、愛されている。私には無かったモノを得られているから。

そんなこと思っても変わらないんだけどね、と自嘲的な笑みを浮かべ無事を祈る。

私には私の仕事がある。
幹部として代理で置けないのであれば処分する、と言われた途端に最悪の結末を想像し暴れてしまった。
『脅して悪かったね』と笑い乍云われた時程殺意が湧いた瞬間は無かっただろう。
馘首が繋がっているだけ幸せだが。



「どうか…無事でいて……」



2人が強いにせよ、相手はギルドの長。苦戦を強いられるのは明らか。

此戦いが終われば殆どのものに一段落がつく。

鏡花ちゃんも救われる。
彼の娘に此処は似合わない。光の中で生きられる娘だから。

屹度芥川君は傷だらけで帰って来る。
処置の準備をして迎えに行こう。

恐らく、太宰さんと鉢合わせるだろうけど。

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している


←33

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す