32 ページ36
「待たせてごめん……
探偵社に来ないかい？」
目を見開いた。
私を置いて行ってしまった太宰さんが真逆そんな事を云うなんて思いもしなかったから。
正直、迚も戸惑っている。
太宰さんに見捨てられ、私の居場所は此処しかないと思っていたから。
私はもう永遠に太宰さんの隣には行けないと思っていたから。
誘われて、嬉しかった。
隣に立たせて貰えると思ったから。
でも、それでは駄目だ。
生きる理由をくれたのは此処だから。
裏切られた時の痛みを知っているから。
だから…
「ごめんなさい。私は此処を離れる事が出来ません。
その為に、中也直属の部下になる道を蹴って諜報員になったのですから……」
「そう云うと思ったよ。流石私が拾っただけ有る。仮令、君がどんなに非道い扱いを受けたとしても屹度此処を離れないんだろうね」
そう云って笑った太宰さんに、私はあの時から初めて近くに感じた。
其れが嬉しくも有ったし、哀しくも有った。
近くに感じても、既に道を違えてしまっているから。
誰かが居ないと死んでしまう私は、此処が一番合っている。
此処なら、私が使える迄決して私を切り離したりしない。
最も、もうどうなるか判らないが。
其れに、新しい場所は怖い。
今の太宰さんが誘うのだから大丈夫なのだろうけど……其れでも、怖い。
「私の目標、何れも達成出来ない侭終わりそうです」
「目標？」
「はい。1つ目は、貴方を殺す事。」
「未だ諦めてなかったのかい？」
「私の辞書には諦めるなんて言葉存在しませんよ。
2つ目は＿＿」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜月銀桜(プロフ) - 凛音さんはまりましたか？題名センス良すぎます！体に気をつけて頑張ってください！ (2019年5月24日 21時) (
レス) id: 8b1129a01c (このIDを非表示/違反報告)
凜音(プロフ) - リタさん» ありがとうございます！！もっと質の良いものを目指しつつ更新頑張りたいと思います！！ (2018年8月2日 9時) (レス) id: 80aa120701 (このIDを非表示/違反報告)
リタ(プロフ) - 面白いです！忙しいと思いますが更新頑張ってください！応援してます！ (2018年7月22日 17時) (レス) id: b81c0804d4 (このIDを非表示/違反報告)
凜音*如月奏羅(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます！もっと語彙力を貯めて、時間が許す限り更新したいと思っております (2017年8月2日 20時) (レス) id: a5660d7b3c (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - とても面白いですね！忙しいとは思いますが更新頑張ってください！ (2017年8月1日 11時) (レス) id: a1cdfad0d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：凜音 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年6月19日 6時
