検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:12,398 hit

21 ページ25

3組織異能力戦争が始まる…


私は別に首領が探偵社と全面的に戦うと云えば、全力で其れに応える。

此処にしか居場所がない。
もう失くしたくない。

そんな視えない鎖が私を縛る。


屹度私にとっての太宰さんも、そう。

太宰さんが私を拾ってくれなかったら今でも泥水を啜る生活をしている。
生きる為にもっと沢山の人を殺して、傷つけて。

私の世界は太宰さんだけだったから。
太宰さんに捨てられたら死んだも同然で。

壊れかけた私の心を助けてくれたのは、首領や中也、姐さんだから…
だから私はもう裏切れない。


太宰さんから離れる為にも、私は自らの手で彼の人を殺す。


善し、と云って部屋を出る。


向かった先は
__座敷牢。



「__お姉ちゃん?」

「うん、“きゅうちゃん”」



名前を呼ぶと途端に笑顔になる。

精神操作の異能を持つきゅうちゃんは、座敷牢に封印された。
3組織異能力戦争が始まる、と云うことは首領のことだから、恐らくきゅうちゃんを出してくるだろう。

本来であれば私はきゅうちゃんを使いたくない。
でも今は幹部として見なくてはならないし、首領の命令は絶対。

自分が好きで、嫌いな、矛盾している子。



「ねえ、きゅうちゃん」

「なぁに?」

「御免なさい…」



そう云ってきゅうちゃんを抱きしめる。

望むなら、私はきゅうちゃんを助けたい。
本当は、座敷牢に閉じ込めたくもない。

でも、敵味方関係なく攻撃してしまう異能を持つきゅうちゃんは野放しにするわけにはいかない。



「また、辛い思いをさせてしまうかもしれないの…」



そう云うとビクッと微かに躰が反応した。

嗚呼、矢っ張り駄目だ。



「絶対に守るから……」



其れ丈云って座敷牢を出る。

罪悪感から、胸がズキリと痛んだ気がした。

22→←20



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
37人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夜月銀桜(プロフ) - 凛音さんはまりましたか?題名センス良すぎます!体に気をつけて頑張ってください! (2019年5月24日 21時) (レス) id: 8b1129a01c (このIDを非表示/違反報告)
凜音(プロフ) - リタさん» ありがとうございます!!もっと質の良いものを目指しつつ更新頑張りたいと思います!! (2018年8月2日 9時) (レス) id: 80aa120701 (このIDを非表示/違反報告)
リタ(プロフ) - 面白いです!忙しいと思いますが更新頑張ってください!応援してます! (2018年7月22日 17時) (レス) id: b81c0804d4 (このIDを非表示/違反報告)
凜音*如月奏羅(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます!もっと語彙力を貯めて、時間が許す限り更新したいと思っております (2017年8月2日 20時) (レス) id: a5660d7b3c (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - とても面白いですね!忙しいとは思いますが更新頑張ってください! (2017年8月1日 11時) (レス) id: a1cdfad0d7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:凜音 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年6月19日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。