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「うーん…」と唸っている首領。
其の間にも冷や汗が溢れ出る。
此の世界では首領の言葉は絶対。
それを私は拒絶しているのだ。
どくんどくん、と心臓が大きく脈打つ。
「ねぇ、リンタロウ。なら期限決めてやってみればいいじゃない」
「お、それはいい案だね。流石エリスちゃん」
そんな会話を聞いて、更に汗がぶわっと溢れ出る。
嘘、でしょ?
此の儘だと私は五大幹部の仲間入りしなくてはならない。
絶対回避したかった未来へと行ってしまう。
「__じゃあ、1ヶ月くらいやって貰おうかな。
ね、A君。」
「ですから私は__」
「__之は命令だよ?」
「……謹んでお引き受け致します…」
そう云うとニコニコと笑う首領。
此の返事を待っていたんだ。
私が断れないことも、きっと頭に入っていた。
私が、断ることはないと、そう確信していたんだ。
本当、恐ろしい人だ。
・
「A!」
「…ぁ、中原幹部……」
震える躰を抑え、部屋を出ると後から中原幹部が追いかけて来た。
「大丈夫か?
……悪ぃ、護ってやれなくて…」
「中原幹部の所為じゃないですから、大丈夫ですよ。
それに、1ヶ月だけですから、」
其の言葉に中原幹部は顔を歪ませる。
何か、悪いことでも云っただろうか。
「あの、さ、前みてぇに…、否、やっぱなんでもない」
「……あの日から、何時も気にかけてくれてありがとう
"中也"」
私は、其れ丈告げて逃げる様にその場を去った。
下の名で呼んだのは久しぶりで、少し、ほんの少し…気恥しい。
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夜月銀桜(プロフ) - 凛音さんはまりましたか?題名センス良すぎます!体に気をつけて頑張ってください! (2019年5月24日 21時) (レス) id: 8b1129a01c (このIDを非表示/違反報告)
凜音(プロフ) - リタさん» ありがとうございます!!もっと質の良いものを目指しつつ更新頑張りたいと思います!! (2018年8月2日 9時) (レス) id: 80aa120701 (このIDを非表示/違反報告)
リタ(プロフ) - 面白いです!忙しいと思いますが更新頑張ってください!応援してます! (2018年7月22日 17時) (レス) id: b81c0804d4 (このIDを非表示/違反報告)
凜音*如月奏羅(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます!もっと語彙力を貯めて、時間が許す限り更新したいと思っております (2017年8月2日 20時) (レス) id: a5660d7b3c (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - とても面白いですね!忙しいとは思いますが更新頑張ってください! (2017年8月1日 11時) (レス) id: a1cdfad0d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凜音 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年6月19日 6時