おとぎ話。【ホラー？】

第33話:Little Red Riding-Hood ページ34

狩人さんは覚えていないのかと言った。

じゃあその時に私は起きていたということ？

起きていたのにも係わらず忘れてしまった？

まず、狩人さんの言っていることは本当なの？

・・・覚えていないの後に狩人さんはなんて言った？

『赤ずきんは疲れてすぐ寝てしまったではないか。』

矛盾している。気付かなかった。

もし本当に寝てしまっていたのならば覚えていないのかなんて言わない。

私は難しいことなんて全く分からない。

だけどこれだけはわかる。

きっと狩人さんは何かしら嘘をついているのだわ。

そうよ。前々から可笑しい部分なんて沢山あった。

最初から変だったんだわ。

だって『狩る者』と『狩られる者』が一緒にいられるわけがない。

しかも相手は狩人と狼だ。

じゃあ私は？

私はどちらの立場？

あぁ、私は馬鹿だな。

みんな仲がいいと思い込んでた。思い込んでただけじゃない。

本当はそんなことなくて、狩人さんも狼さんも私を狩ろうと、食べようとしていたの。

ただ二人はいつ狙うか待っていただけ。

どちらも一人と一匹が邪魔でいつかは消そうとしていただけ。

ただそれに狩人さんが勝っただけじゃない。

逃げなきゃ。逃げなきゃ。

こんなところに居たら殺されてしまう。

森へ。もっと奥。誰も見つからないような所へ。

「おや？お嬢さん、どこへ行こうとしているんだい？森は危ないよ。それとも、、




私から逃げようとでも思っているのかい？」

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