おとぎ話。【ホラー？】

第31話:Hansel and Gretel ページ32

「おばあちゃん。」

少しドアを開けそこからチラッと顔をのぞかせる二人。

それに気付いたお婆さん。

少し寝ぼけているようだ。

もう今夜は遅い時間。

子どもの二人でさえ体力が消耗している。

「僕たちどこで寝ればいい？」

「私たちどこで寝ればいい？」

二人の声が重なった時ボンとその場にベッドが現れた。

「そこの部屋使っていいからねぇ。今日はゆっくり寝なさい。」

「はぁい。」

二人は指定された部屋に入り秘密会議と称して話し合いを始めた。

「あれは絶対赤ずきん。」

「じゃああの男は？」

「あの森で何をしていた？」

「様子がおかしかった理由は？」

「分からない。」

「なぜ？」

「なぜ？」

「「なぜ？」」

二人は紙に疑問に思ったことを書いていく。

そしてどんどん書いた文字を黒く染めていく。

そして赤い字で『 殺すだけ 』と書いた。

「だけど僕たちには関係ない。」

「明日の準備は？」

「できてるわ。」

「さすが僕の妹。」

そっと頭を撫でてあげる。

嬉しそうに頬を染めて笑う妹は兄としても実に可愛らしい。

愛情を十分に与えてもらえなかった二人はこうやって二人で愛を注ぎ合うしかなかった。

「お休み。兄様」

「お休み妹。」

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