第22話:Little Red Riding-Hood ページ23
正体がわかって赤いスープを目の前にした赤ずきん。
「なんでそんなこと・・・!」
吐きそうになりながらも男に否定の言葉を待つが、そんな言葉この男から出てくるはずがない。
「あぁ、赤ずきん。怯えないでくれ。愛しの赤ずきん。可愛い可愛い私の赤ずきん。」
少なくともうっとりと熱を帯びた目で赤ずきんを見る男には。
「く、狂ってる!狼だってそんなことされて喜ぶはずない!」
涙を堪えながら男に訴えるがそれすらも男には興奮を与える。
早く私のものになってくれという気持ちと一緒に。
「私は狂ってないさ。それに狼だって喜んでるよ。」
「おかしいわ。狩人さん。あなた・・・。」
「いんや。おかしいのは赤ずきんさ。」
にんまりとした口を静かに閉じる。
「赤ずきん。いいことを教えてあげよう。」
俯いてた顔を勢いよくあげるとそこには涙を流してる。
そっと赤ずきんの涙を指で拭い話を続ける狩人。
「この狼は何回質問されても、何回剣を振り下ろされても赤ずきんが一番だ、お前の事は嫌いと言っていたよ。最後まで愛されててよかったな。」
その事を告げると赤ずきんの顔が一瞬だけ明るくなる。
だがすぐに絶望へと変わっていく。
「だが、私はそれが気にくわなかったのさ。嘘でも吐いとけば生きれた。だからこれはあいつに対しての最後のお仕置きだ。さぁ、赤ずきん早くお飲み。」
無理矢理お皿を口につけさせ飲ませる。
「ォエ・・・ウッ・・・。」
「おええ・・・ゲホゲホ。」
生臭い匂いとその味は最悪だった。
幼い彼女にはきつすぎたであろう味。
大人でも飲まないであろう味。
誰もが嫌がる味。
案の定その場で吐いてしまった。
その目は虚ろで目に光など映してはいなかった。
「さぁ赤ずきん!私と一緒に他の奴ら倒しに行こうじゃないか。」
「・・・。」
赤ずきんは糸が切れたように何も発さなくなった。
言葉の代わりに持ってきたナイフを取り出した。
それを見て男は笑った。
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れーと(プロフ) - デルテチーノさん» 有難うございます! (2015年4月1日 9時) (レス) id: 51e87cd512 (このIDを非表示/違反報告)
れーと(プロフ) - 日向さん» 頑張るので学校頑張ってください!w (2015年4月1日 9時) (レス) id: 51e87cd512 (このIDを非表示/違反報告)
デルテチーノ - 続き楽しみにしてます(^^) (2015年4月1日 4時) (レス) id: ce2cc8afa9 (このIDを非表示/違反報告)
日向 - 明日から学校や超だるい (2015年1月7日 22時) (レス) id: 6749d40c16 (このIDを非表示/違反報告)
日向 - 頑張れ~ (2015年1月2日 23時) (レス) id: 6749d40c16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れーと | 作者ホームページ:http://puchiamatheater
作成日時:2014年7月12日 6時