第19話:white snow ページ20
「この海でいいのかしら?」
「あぁ、この海さ。俺は止めたんだが、あいつ言う事聞かないで海へ入って・・・。
浮かんできたのは血だった・・・。」
小人は下を向いていて表情は分からない。
「・・・。」
無言でぽいっと貰ったリンゴを投げた。
「ちょ!白雪姫、そんなことしたら海が・・・!」
海を心配している小人たちをよそに白雪姫はこう言い放った。
「あら?貴方達は仲間が殺されて悔しくないの?殺したのはその人たちなのよ。金魚か人魚か知らないけど私の大切な家族を殺されたのに黙っておける訳がないじゃない。」
白雪姫の言葉は残酷で、だけど図星で。
小人達は黙り込んでしまった。
「ふふ、いい子達。私の仲間、私の家族、私の・・・。」
「なんで殺したのかしら?なんで貴方たちは罪のない子達を。」
一つずつ、言葉と同時にぽん、ぽん、と投げていく。
やがて、海が紫色に染まってきた時何かが浮かび上がってきた。
魚や、カニ、クラゲなど。
だけどそれとは別にまた違う生き物。
森から出たことはないから見るのは初めてだが本の中で見たことある物体。
上半身は人間で、下半身は魚の。
「初めて見たわ・・・。こいつが、殺したのね。ざまぁみなさい。」
狂気の目をした白雪姫。
そこらにあったロープを掴み海に投げ器用に人魚を巻き付けてから陸へ上げた。
「袋・・・。いや、ナイフでもいいわね・・・。」
持ってきたナイフで人魚の鱗を取り始めた。
「これ、結構貴重らしいの。だからきっと高く売れると思うわ。」
「そういえば、お魚食べたいと言ってたわね。」
小人達は何かを察して真っ青になる。
どうせ買えてないんでしょう?この街は差別がひどいんだもの。」
「おい、あんた。それ、もしかして人魚じゃないか?」
話しかけてきたのはある男。
「こ、こいつ・・・。」
「お、お前はさっきの!」
そう、あの酷い漁師。
「そうよ。だけどね、この人魚は私の捕まえた人魚。だから譲れないわね。」
「いくらでも出すからお願いだ!」
「そうねぇ、そんなに儲けたいならそこらに浮いてる魚でもどうかしら?」
指を指す方を見るとさっきの死んだ魚達。
漁師はそれを見て青ざめる。
「これじゃあ、儲けも糞もないわね?」
「ひでぇじゃねえか!なんでこんなこと・・・!」
「元々貴方が悪いのよ?魚をこの子達に渡してくれなかったから。自業自得ね。」
青ざめたままの漁師を蔑み白雪姫は人魚を抱え森へ帰って行った。
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れーと(プロフ) - デルテチーノさん» 有難うございます! (2015年4月1日 9時) (レス) id: 51e87cd512 (このIDを非表示/違反報告)
れーと(プロフ) - 日向さん» 頑張るので学校頑張ってください!w (2015年4月1日 9時) (レス) id: 51e87cd512 (このIDを非表示/違反報告)
デルテチーノ - 続き楽しみにしてます(^^) (2015年4月1日 4時) (レス) id: ce2cc8afa9 (このIDを非表示/違反報告)
日向 - 明日から学校や超だるい (2015年1月7日 22時) (レス) id: 6749d40c16 (このIDを非表示/違反報告)
日向 - 頑張れ~ (2015年1月2日 23時) (レス) id: 6749d40c16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れーと | 作者ホームページ:http://puchiamatheater
作成日時:2014年7月12日 6時