海賊皇女は海をゆく (ページ48)

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昔､ある将校が自分の船を仲間諸共破壊され
その隊はまもなく全滅した

しかし将校だけは生き残った

そしてその船は動き続け

"死の島"に辿り着いた

そこで今のAのように当時の仲間や家族から呼ばれ.......ついて行こうとしたところでふと気がついたんだ

そこにいた親友が「来るな」と言ってることに

そこで我に返った将校は慌てて船を出し

本部でその事を記録として残した

しかし
そのあと何度海軍が調査したところでこの島に
辿り着いたことはなく

結局は"伝説"として語り継がれた

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「まぁよくある怖い話って感じになったってわけ」

そうなのかぁ、、じゃない！
なんでここに来れたの！？そう聞きたい

「どうやってここまで来たんですか！？」

「んー愛の力ってやつ？」

デレデレと私を甘やかすクザン
ついつい心地よくて甘えてしまいそうになるが
本題は聞けてない
この氷人間は何処までもはぐらかすつもりらしい

私は.......クザンが来なかったら.......

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いやぁ､ほら。言えるわけないよね、、

＿＿＿＿＿船に忍び込んだはいいものの出るタイミング無くして困ってました､なんて

どうしても君が恋しくて

どうしても君に会いたくて

伝える言葉はまだ少し.......照れくさい

青白い顔でそれでも心底嬉しそうに笑うAに
『愛してる』と伝えたくて

その細い体を抱き留めたくて

微笑みながら片腕を伸ばす君に

何故もっと早く

抱きとめなかったのか＿＿＿

Aは綺麗に綺麗に微笑んで倒れた

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クザンに会えて舞い上がっていたのかもしれない

いやきっとそうだ
嬉しくて仕方なかった
大好きだって愛してるよって伝えようとした
私の口は､
愛しい貴方に抱きつこうとした
私の方腕は､

海の女神様は愛し合うふたりが憎いらしい＿＿＿

次の瞬間目に映ったのは
酷く心配して驚いた表情のクザンと真っ暗な岩肌
背中に感じるのはゴツゴツとした岩の感触と冷たい海の感触

幸せを許してはくれないらしい＿＿＿

そんな顔させたくなかった＿＿＿

泣かないでクザン＿＿＿

来てくれてありがとう＿＿＿

私は､『貴方』と生きたい

『ラフテル』にも生きたい

『ケジメ』もつけてない

まだ生きていたいのに＿＿＿

意識は＿＿＿

海の底に＿＿＿

＿＿＿暗い暗い漆黒の青に呑まれた