海賊皇女は海をゆく (ページ29)

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［侵入者発見侵入者発見］

何度も繰り返される大きな警報と放送

そして部屋の大きな窓がスクリーンとなり突如
映像が映された

そこに映っていたのは.......

『ルフィ!?』

間違えるはずもない

ルフィだった。

今ので助かったのかそうでないのか.......

どうやら後者らしい
油断していた隙にガッチリと海楼石の錠が手に掛けられた
この程度で力の抜ける私ではない
海軍じゃ毎日つけてたしね
でも能力に加え手も使えないとなると幾分やっかいだ

「例の場所へ。
こいつを使えばさらにショーは盛り上がる！」

部「スルルルルル。了解致しましたテゾーロ様」

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連れていかれたのはステージの上

黄金に包まれているのは『ゾロくん』だ

こんなに近くに居るのに助けられないなんて

大きなマントで顔を隠していたが一瞬だけそれを外す

『必ず助けるから』

口パクで伝えたそれよりも
なんでここにいるんだと驚きに満ちた顔で見てくるゾロくん
苦笑しつつも錠の付けられた手を少しだけ見せてやる

小さな溜め息と少しの微笑み

さぁここからどう切り抜けよう

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海楼石を外さない事には何も始まらない.

ぼーっとしながらもしっかりとした足取りで歩く
考え事をしていたし、何よりこれ以上進みたくなかった為
足が絡まってしまった

ﾊﾞﾝ

『あ！すみません！』

「いえいえ､お気をつけて」

バチンと効果音のつきそうなほど綺麗なウインクをくれた彼女は先程ステージで歌っていた歌姫だ
胸元の大きく空いたドレスに巻き付けるファー

どこをどう取っても美人そのもので
女の私ですら見惚れてしまう

ステージで見るよりずっと綺麗だった

「はやく歩け！」

下っ端が腕を思いっきり引く

覚えてろ､このモブ顔が.......！
ギリギリと睨みつけるが怯むどころか
ニヤニヤと笑うこいつらが気持ち悪くて仕方ない

「やっちまうか？」
「いいんじゃねぇのか？」
「どうせ殺すんだろ？」
「だな！がははは！」

ﾁｬﾘ

ポケットに金属音が....
何も入れてないはずだった
一体何が......？
何かを確認するために海楼石の着いたままの腕をポケットへ

手探りでそっと中を探ると

"鍵"があった

パッと後ろを振り向くも"彼女"はいない

きっと彼女がくれたのだろう

なぜ私を助けてくれたの？

一体何のつもり？

でもこれでやっと

《仕返しの時間だ》